欧州の資産買い入れプログラムは規模拡大か? 2015年11月13日(金)発表のユーロ圏7-9月期域内総生産の結果を注視

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この記事の読みどころ

12月の欧州中央銀行(ECB)理事会で、欧州の資産買い入れプログラムが規模拡大されるか否か、注目が集まっています。

そこに向けて、2015年11月13日(金)19:00発表予定のユーロ圏7-9月期域内総生産(GDP)にも注目が集まります。

ユーロ圏のマクロ経済が、引き続き不透明な状況にある中で、ユーロ圏7-9月期域内総生産が市場予想を上回れるか要チェックです。

2015年11月13日(金)19:00発表予定のユーロ圏7-9月期域内総生産に注目

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11月5日(木)、欧州中央銀行のドラギ総裁は、「(現行の資産買い入れプログラムが)世界経済が鈍化する中、我々は中期的な物価安定を阻害する要因を防ぐのに効果的かどうかを分析する必要がある」、「効果的でないとの確信に至った場合は、目的を達成するために強化する方法を検討することになる」と発言。

現行の資産買い入れプログラムが世界経済の鈍化に対応可能か、買い入れ拡大が必要かどうか、次回、12月の理事会で判断する方針を明らかにしました。こうした中、11月13日(金)19:00発表予定のユーロ圏7-9月期域内総生産への注目度が高まっているのです。

今回のユーロ圏7-9月期域内総生産が市場予想を上回れるかをチェック

11月4日(水)に欧州中央銀行が公表した経済報告書で、中国の実質成長率が1%ポイント低下した場合、貿易による直接・間接の影響について、2-3年後にユーロ圏経済を0.1-0.15%ポイント下押しする程度に留まるとの推定が示されました。

一方、その他の間接的な悪影響として、中国の信頼感が揺らぐことで資本流出が起こり、新興国の金融状況が逼迫、ユーロ圏にとって、外需のさらなる減退を引き起こす可能性も言及されています。

今年のユーロ圏域内総生産を確認すると、依然として物価動向が極めて弱く、マクロ経済も引き続き不透明な状況にあります。今回のユーロ圏7-9月域内総生産の市場予想は、前期比+0.4%、前年同期比+1.8%となっており、この市場予想を上回れるかどうかがポイントです。

市場予想を上回る水準だった場合、欧州経済の先行き見通しに対する期待が高まり、英FT100、独DAX30、仏CAC40等の株価指数を下支えしていくでしょう。また、欧州株価連動型のインデックス投信などにも支援材料となるでしょう。

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出所:SPEEDAをもとに筆者作成

【参考情報】ユーロ圏域内総生産の基礎知識

そもそも、ユーロ圏域内総生産とは?

ユーロ圏域内総生産(GDP)は、EU28か国の生産活動による商品・サービスの産出額から原材料などの中間投入額を控除した付加価値の総額です。欧州委員会統計局(ユーロスタット)が、該当四半期の翌々月中旬に速報値、翌四半期の最終月上旬に確報値を発表しています。

この経済指標を読み込む場合、EU28か国の各国別の経済成長率を確認した方が望ましいと思います。

特に、EU圏内の地域格差は大きく、西ヨーロッパの大国ドイツ・フランス等と比較し、北ヨーロッパや東ヨーロッパの新しい加盟国の中には、バルト3国のような持続的かつ高い経済成長を維持している国々も存在しています。

※元データの確認は、欧州委員会統計局のウェブサイトをご参照ください。

【2015年11月9日 投信1編集部】

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岡野 辰太郎

1976年生。大学在学中、マイクロソフトのインターンシップへ参加。
横浜国立大学大学院卒業後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社の投資ストラテジストとして、リサーチ業務に従事。
同社退社後、Webサービスの開発・運営を行う株式会社アーブを設立。モノづくりのクラウドファンディング「SpotLight(スポットライト)」を運営中。