複利の力をうまく使う

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この記事の読みどころ

アインシュタインの発言として伝わっているものに「『複利』は人類史上最大の発明だ」というものがあります。

10%で20年運用すると、資産は何倍になるかご存知でしょうか。10%で運用するなら、株への投資が選択肢になります。

「そうは言っても今の株価は割高なのでは」と思う方に、資産運用の考え方を提案します。

アインシュタインの発言と複利の力

ちょっと有名な物理学者(笑)でアインシュタインという人がいるのですが、そのアインシュタインが、「『複利』は人類史上最大の発明だ」と言ったと言われています。実は、彼がそういう発言をしたという証拠が残っているわけではなく、半分都市伝説みたいなものらしいのですが。

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まあそれくらい、複利の力は強力なわけです。例えば、100万円を20年間、毎年10%の複利で運用すると、いくらになると思いますか? 単利は100万円にだけ金利が付き、複利はその金利に更に金利が付くということです。単利だと毎年10万円増えますから、20年間では300万円になります。

複利だと、300万円よりはちょっと多くなりそうですよね。金利にも金利が付くわけですから、1年目で10万円、2年目で11万円の金利です。そうするといくらになるでしょうか・・・実は、672.7万円になります。ちょっと目を疑う数字じゃないですか?

10%なんて不可能?

そうは言っても今のご時世、銀行の定期預金の金利は0.01%くらいですから、10%で運用するなんて夢のまた夢のように思いますよね。「バブル脳」かと。確かに私が小学生の時は、郵便貯金の定期に入れるだけで、8%くらいの金利が付きましたからね。あの頃は良かった。

それはともかく、イボットソン・アソシエイツ・ジャパンによれば、アセットクラス毎の1970〜2014年の平均リターンを見ると、日本債券5.8%、日本株式9.0%、外国債券4.4%、外国株式9.6%とのことです。債券は足元債券バブルで利回りが低下していますが、株価はむしろ上がっていますから、ざっくり「株なら長期的に10%近くで運用できる」と言えそうです。

現実的には全財産を株に投資するなんてことはあり得ませんし、それ以上リスクの高い投資は危険すぎますから、資産全体で10%を超える運用は難しいのですが、様々な投資をうまく組み合わせれば、「複利の力」を活かせるだけのリターン水準は、生み出すことができるでしょう。

バブルは崩壊する

では、複利の力を活かすために、今すぐに株式投資を始めるべきなのでしょうか。そうは言っても、今の株価はバブルかもしれません。まあ、バブルかバブルでないかで言ったらバブルでしょう。そしてバブルはいつか必ず、崩壊します。しかし問題は、それがいつなのかがわからないということです。

確かに、株式に長期的に投資をすれば10%くらいで運用できますが、投資をした瞬間にバブルが崩壊すれば、大損をしてしまいます。実際に過去、何度もそういうバブル崩壊は起こっています。ライブドアショック、リーマンショックなどは記憶にも新しいところですよね。

バブルとは、崩壊したときに初めてその存在を認識されます。量子力学の世界みたいな話ですね。膨らみ続けている限り、それはバブルではないんです。実際に過去のバブルの時も、「日経平均は4万円を超える」とか言っている人、たくさんいましたからね。

複利の力は使いたい、しかしできればバブル崩壊の直撃は避けて、割安な株価で投資を始めたい。そうやって躊躇をしている間に株価は上昇を続けてしまいます。それではいったい、どうしたらいいのでしょうか。いつ始めるの?

資産運用に対する正しい姿勢

今でしょ。実は、我々は今の株価が割高なのか割安なのか、判断できません。半年後に日経平均が3万円になるのなら今の2万円は割安だったということになりますし、もしかしたら1万円を切るかもしれません。どちらの可能性もあり、プロであってもその予想は当たりません。

であれば、複利の力を活かすために、今すぐ投資を始めるのが正解です。ただし、全財産を一度に投入してはいけません。全体の1割とかそういう金額を、おそるおそる投資し始めるのです。で、1か月後にまた1割、2か月後に1割という風に「時間分散」をして投資をしていきます。

これは「ドルコスト平均法」という手法です。これで「リスクが減る」と説明している教科書もありますが、別にリスクは減りません。投資が負ける可能性は何ら変わらないのです。ただ、最悪のシナリオが起こる確率が減るだけです。あと、意志の力を使わず、予め決めたルールに従って機械的に投資をすることで精神衛生上、穏やかでいられるということです。

日本の国家財政の状態を考えれば、いつインフレが起きても不思議ではありません。そのとき、現預金は「負け」なんです。株が10%価値が上がるということは、現預金は10%価値が下がるということです。一方で株にはリスクがあるので、対象資産を分散し、銘柄を分散し、時間を分散して慎重に資産を割り当てていきましょう。

それが、「守り」の資産運用ということです。株式投資や不動産投資は、実は重要な「守り」の手段なんだと、私は思います。

それでは、また。夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修でした。

【2015年12月9日 安田 修】

■参考記事■

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 安田 修
  • 安田 修
  • ㈱シナジーブレイン
  • 代表取締役

(社)人生計画協会」代表理事、中小企業診断士、GCS認定プロフェショナルコーチ、証券アナリスト、AFP他。

北海道大学卒業後、日本生命に15年勤務。企業財務を中心に経験。ビジョンとキャッシュフローの「全員経営」で中小企業の経営をサポートする一方、サラリーマンの起業を支援するための会員制度「人生計画フォーラム」を主催。