新たな祝日「山の日」は、なぜ8月12日ではなく11日になったのか?

この記事の読みどころ

2016年から新たな祝日「山の日」が始まります。「山の日」は8月11日と決まっています。

学生が夏休み中で、一般企業のお盆休み直前である時期に「山の日」が制定されても、大きなメリットが発生するとは考え難い状況です。

この先、1985年に起きた悲惨な事故を思い出すことができるならば、「山の日」の意義は十分にあると言えましょう。

2016年から新たな祝日「山の日」がスタート

今年2016年のカレンダーを見て「あれー? 8月に祝日があるぞ」と気付いた人がいるかもしれません。そうです、今年から8月11日は「山の日」という国民の祝日となります。

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「山の日」は既に2014年に制定されているため、徐々に認知度も高まってきていたと思われますが、それでも、まだ知らなかった人がいても不思議ではありません。

世界的に見ても、日本は祝日の数が多い国

この新設された「山の日」を含めて、日本の祝日の数は16日に増えました。年間の祝日数が16日というのは、世界的に見てもかなり多いと考えていいでしょう。

ちなみに、最多が18日(インド、コロンビア)、次が16日(日本、タイなど複数国)となっています。ただ、その年によって祝日数が変わる国があるので、100%正確ではないかもしれませんが、日本が相当上位にいることは確かなようです。

なぜ「山の日」をメリットの小さい8月11日に固定するのか

さて、新たな祝日である「山の日」に話を戻します。

多くの人は「なぜお盆休み直前の8月11日にするのか」「なぜ特定週の月曜日にして3連休にしないのか」という憤慨に近い疑問を感じているかもしれません。実際、導入初年度の今年は、8月11日が木曜日であるため、翌12日に出勤する人も少なくないはずです。

さらに、8月11日に固定したため、2017年以降も3連休にならない年が多くなるでしょう。また、元々夏休み期間である学生には何のメリットもありません。少なくとも現時点では、この「山の日」が制定されたことでメリットを享受する業界や人々は、極めて少ないと考えられます。

当然、株式市場でも「山の日」関連銘柄は見当たりません。では、何のために8月に「山の日」を設けたのでしょうか。

8月12日は空の安全を祈る日

まず、「山の日」は国の法律(祝日法)により、『山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する』と規定されています。しかし、この趣旨が8月11日と関連する理由はほとんどないと考えられます。

どうやら実際には、8月は夏の山登りシーズンであること、8月には祝日がなかったこと、まとまったお盆休みが取れるようにすること等を理由に、当初は8月12日が想定されていたようです。ところが、8月12日は1985年に日航機123便墜落事故(死者520名)が起きた日であるため、それを回避して11日になった模様です。

事実、当初案(12日)に対しては、一部の国会議員や群馬県知事から反対の表明がありました。確かに、8月12日を100%回避するためには、特定週の月曜日にすることもできません。

大きな事故の記憶は、時の流れと共に薄れていく

考え過ぎかもしれませんが、やはり、「山の日」には30年以上前に起きた大惨事を忘れずに“空の安全”を祈念する意味合いがあるのではないかと思われます。

ちょうど昨日(1月15日)、長野県でスキーバスの転落事故が発生し、多くの若者が犠牲になりました。このような大きなバス事故は、頻繁に起きているような気がします。そして、このたぐいの事故が起きる度、もう2度と繰り返さないようにと誓いを立てますが、いつの間にか人々の記憶が風化し、また同じような惨劇が起きています。

この先、「なぜ8月11日のような中途半端な日を祝日にするのだ?」といぶかる時、1985年に起きた大惨事を思い起こすことができるならば、「山の日」の意義は十分あると思われます。

【2016年1月16日 投信1編集部】

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