低コストインデックス型投資信託とETFはどっちが買いか?

ローコスト投資信託の選択肢が増えている

2015年後半以降、確定拠出年金(DC)専用ファンドの一般展開や、ローコストインデックス投信の新シリーズの誕生など、インターネット証券を中心に信託報酬率の低い投資信託の選択肢が増えました。

もちろん、購入時の買付手数料は、「ノーロード」(買付手数料無料)。投資初心者にも分かりやすい商品設計で、投信積立を中心に着実にファンを増やしています。

運用方針に大きな差がないインデックス連動型投信の場合、「運用成績の差=信託報酬の差」であり、信託報酬率の低いファンドほど中長期で見ると相対的に良好な成績を収める傾向にあります。

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最近は、こうしたインデックスファンドの特性が個人投資家にも認識されるようになったと同時に、運用会社側も販売チャネルをインターネット経由に限定することで、従来よりもさらに信託報酬を低く抑えた投資信託の供給が可能となりました。

ところで、「ローコスト」の代表格といえば、ETF(上場投資信託)も忘れてはなりません。前述のインデックスファンドの一部はETF並みの低水準の信託報酬を実現していることから、最近はますます投資信託とETFの違いや、それぞれの活用方法に注目が集まるようになりました。

ローコストインデックス投信とETFを賢く使い分けるためのポイント3つ

(1)売買価格

投資信託は1日に1回公表される基準価額で取引を行いますが、ETFは取引所の取引時間中であれば時価で売買が可能です。取引の状況を確認しながら、売買のタイミングを自分で判断したい場合は、ETFを選択した方が良いでしょう。

(2)購入方法

まとまった資金で一括購入するのではなく、毎月コツコツと積立投資を継続するなら、ETFよりも投資信託の方が利便性は高いです。最近は、毎月1銘柄1,000円程度から積立てられるようになり、買付日や資金の引落し口座を自由に選択できる金融機関も増えました。

ETFの場合は、一部の証券会社で展開している「るいとう(株式累積投資)」で定時買付を設定することもできますが、買付可能銘柄が決まっていたり、買付口座管理手数料がかかったりと、残念ながら投信積立ほどの柔軟性はありません。

(3)資産タイプ

東証に上場する国内ETFは現在200銘柄以上ありますが、実際は日経平均株価とTOPIXに連動するタイプが全体の約7割を占めています。ETF投資の鉄則は、売買代金や出来高の大きさを確認し、流動性の高い銘柄を選ぶこと。しかし、価格がつかない流動性の低い銘柄も依然多いというのが実態です。

こうした点も考慮し、ETFでは信託報酬率が投信の約2分の1から5分の1程度に抑えられているTOPIX連動型や日経225連動型の銘柄を、ローコストインデックス投信では海外株式/債券や国内外のリートに投資するタイプを取り入れると良いでしょう。

【2016年1月19日 篠田 尚子】

篠田 尚子
  • 篠田 尚子
  • 楽天証券経済研究所
  • ファンドアナリスト

慶應義塾大学法学部卒業後、国内銀行にて個人向け資産運用相談業務を経験。
2006年よりロイター・ジャパン(現トムソン・ロイター・マーケッツ)傘下の投信評価機関リッパーにて投資信託のデータ分析、評価、市場調査を担当した後、2013年11月楽天証券経済研究所入所。
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。