逆オイルショックで石油関連株はどうなった?

原油価格の下げが止まらない

2014年10月以降、それ以前は1バレルあたり90ドル付近で推移していた原油価格が右肩下がりのトレンドとなり、2016年1月に入ってからはWTI先物の原油価格が一時32ドル台をつけるような展開となっています。

今回の原油価格の下落は、グローバルの景気がスローダウンするという単純明快な理由だけではなさそうです。

原油価格が下がる理由とは

原油価格が下がるのにはいくつかの理由があります。

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まずは、グローバルの景気が停滞し、その結果原油の消費量も減少するという思惑が働けば、原油価格は下がることになります。

中国のようなこれまでのエネルギー消費大国の景気動向に注目が集まるのもその1つでしょう。2016年1月6日に中国PMI(サービス業購買担当者指数)が低調だったことをご記憶の方も多いことと思います。

次いで考えられるのが、米国で採掘可能となったシェールオイルの供給により、そもそもグローバルに供給される原油の供給が過剰になってしまったということです。

これまでは、米国は中東からの原油調達をエネルギー安全保障上重要なポイントと認識していましたが、それが国内調達で賄えるようになってしまったのです。

他国が米国から原油を輸入しようとするのは、それほど容易なことではありませんが、中東vs.米国という競争構造となれば、中東はこれまでのように原油の供給を自分たちだけで調整すればすぐに価格に反映されるということにもならないでしょう。

また、今回は需給面だけではなく、他にも考慮しなければならないポイントがあります。マクロ経済環境では、米国が利上げを行いこれまでの金融緩和が終了しました。これまでエネルギーや資源に投資されていたマネーが別の資産に行くということも考えられます。

IS(イラクとシリアのイスラム国)によるテロや、サウジアラビアとイランの外交問題など、地政学的リスクは極めて高く、原油を取り巻く環境は複雑であると言えます。

原油関連株はどうなった

国際石油開発帝石(1605)は2015年11月の上期決算発表で業績見通しを下方修正するなど、原油安の影響を受けています。

説明会資料によれば、原油安に対応するため開発投資や炭鉱投資を削減しつつあり、2016年3月期の生産コストは昨年度比20~30%程度削減しようとしていますが、減益は避けられない様子です。

その他、石油資源開発(1662)や日本海洋掘削(1606)も2016年3月期の業績は減益が避けられそうにありません。

これは日本に限ったことだけではなく、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコも上場を検討するとの発表をし、上場益を元に歳入確保をしようとしているようです。サウジアラムコと合弁会社ペトロ・ラービグを運営する住友化学(4005)にも今後は注目が集まりそうです。

【2016年1月12日 投信1編集部】

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投信1編集部

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