連続多発悪材料で年初から株価が急落した1週間

先週(1月4日‐1月8日)の世界の主要株式市場は急落しました。上海総合指数は▲10%下げ、日米欧の株式市場も一桁後半の下落率になりました。米国の市場センチメントを占めるVIX指数は約+50%上昇し、市場参加者の警戒感が高まっています。

※ボラティリティインデックス(恐怖指数とも呼ばれる)

まず年初に発表された中国の景気指標をきっかけに中国の景気不安が高まり、上海株が下げるとともに人民元も下落しました。株式市場で導入したサーキットブレーカー制度が市場の落ち着きをもたらさなかったため、これを早々に取りやめることになりました。この結果、週末の金曜には中国・香港の株式市場は一旦下げ止まっています。

さらに、中東と北朝鮮で地政学的な緊張が高まりました。

先進国では、これも注目された米国の12月雇用統計で雇用者数の増加と落ち着いた賃金上昇が示されました。昨今の新興国経済の変調、資源価格の暴落、神経質な資本市場の動向もあって、米連邦銀行の利上げのペースについて慎重な見方が増しているように見受けられます。

原油を始めとする資源価格は金を除いて軟調です。今後は決算発表時期に入りますが、スマホ販売の減少や暖冬の悪影響が企業業績へ影を落とし始めています。

先週の主要市場の動き

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

決算発表が本格化し落ち着きどころを探る1週間に

今週(1月11日‐1月15日)は企業決算の発表期を迎え、神経質な展開になりそうです。

株式市場が急落していますので、さらに急落が続くのであれば各国の当局による対応も想定されます。しかし今週からしばらくの間は決算発表のシーズンに入るため、アク抜けには時間がかかるかもしれません(今週はアルコア、インテル、米銀の決算発表が予定されています)。

経済指標の中では12月の中国の貿易収支に注目しておきたいと思います。

フィンテックやシェアリングエコノミーなど夢を語れる銘柄の物色が続くか、見守りたいところです。

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【2016年1月11日 投信1編集部】

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LIMO編集部