投資家に伝えたい3つのポイント

2016年2月9日の株式市場は大幅下落。TOPIXの終値は前日比▲5.5%下落し、アベノミクス始動以降では3番目に大きな下落率となりました。

今回の下落相場は、様々な要因による複合的なものですが、強いて挙げれば、米国の利上げ影響が大きいと思われます。今後の注目点は、米国の金融政策の動向に尽きるのではないでしょうか。

個人投資家の取るべき最善策は、当面は静観することです。そして、株価の反発局面に備えることです。むやみやたらに買い向かうことは非常に危険です。

TOPIXはアベノミクス始動以降で3番目の下落率を記録

2月9日の東京株式市場は、前日の欧米市場の株価急落を受ける形で、大幅反落になりました。TOPIXはザラバで年初来安値を更新して一時1,300ポイント割れ(2014年10月以来)になるなど、終値は前日比▲5.5%下落しました。これは、アベノミクス始動以降では3番目に大きい下落率です。

2016年に入って以降の株式相場下落は、当初は1日当りの下落率はさほど大きくなかったのですが、1月半ば以降は▲3%以上下落する日が目立つようになっています。

今回の株価調整局面は複合的要素によるものか?

改めて言うまでもないことですが、株価は一本調子の上昇が長く続くものではなく、必ず調整局面を迎えます。2013年以降の日本株も、そうした調整局面をこなしながら、基本的には上昇トレンドが続いてきました。

しかしながら、今回の年明け以降の調整局面は、昨年8月のように、中国経済に対する懸念のみで下落した時のような“これだ!”という明確で決定的な要因がないように思われます。今回、中国経済懸念も一因でしょうが、原油価格安、国際情勢の悪化、新興国市場の不振など、様々な要因による複合的なものではないでしょうか。

やはり、米国の利上げ実施から変調し始めている

しかし、そうした複合的な状況を作り出した要素を強いて挙げると、やはり、12月に実施された米国の利上げに辿り着きます。しかも、2016年も複数回の利上げが実施される見通しです。利上げ影響に対する懸念が残る状況に変わりはないと言えましょう。

結局、今回の複合的な調整局面を脱して、再び株価上昇のトレンドに回帰するかどうかは、米国の金融政策にかかっていると言っていいのではないでしょうか。したがって、今後の最大の注目点は、米国の金融政策の動向に尽きます。しかし、これは個人投資家や機関投資家はおろか、日銀や日本政府でも予想困難です。簡単に言うと、“誰にもわからない”ということです。

個人投資家が取るべき最善策は“何もしない”こと

こうした時、個人投資家が取るべき最善の手段は、“何もしない”ことだと思います。ズバリ、静観すべきです。一番危険なことは、損失を挽回するために“ここが底値だ!”と、むやみやたらに買い向かうことです。うまくいく可能性が全くないとは言いませんが、資金量に勝る短期筋の外国人投資家の餌食になる確率の方が高いです。

大雪の中、わざわざ外出する必要はない

今年は記録的な暖冬だと言われていましたが、いつのまにか、やっぱり寒くなりました。毎週のように大雪も降っています。大雪が降っているのに、目的もなくわざわざ外出する必要はありません。家のコタツで暖まっていればいいのです。買い物など、どうしても用事があって外出する時は、完全防寒の服装で、近所の店で済ますことです。

今回のような下落相場は滅多にありませんから、どうしても下値で拾いたいという個人投資家は、念入りに調査と研究をして(完全防寒の服装)、最小限の投資資金に抑える(近所の店で済ます)ことが重要でしょう。

株価の反発局面に備える

最初の方に「株価は一本調子の上昇が長く続くものではなく、必ず調整局面を迎えます」と書きましたが、これは逆の状況にも該当します。「株価は一本調子の下落が長く続くものではなく、必ず反発局面を迎えます」ということですね。その反発局面が持続的なものか、それとも、一過性のものかはまだ判断できませんが、それに向けて準備を怠らないことが大切だと思われます。

注:本記事は個人投資家向け経済金融メディアLongine(ロンジン)の記事をダイジェスト版として投信1編集部が再編集したものです。

【2016年2月10日 投信1編集部】

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LIMO編集部