大幅下落から反発するも、もみ合う展開

2016年2月19日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比229円63銭安の15,967円17銭となりました。

先週末には、1年4か月ぶりに15,000円を割り込みましたが、週明けの15日には、急激な円高の流れが一服したこともあって、一時1,200円以上値上がりし、15日の終値は前日比1,069円97銭高の1万6,022円58銭と、1万6,000円台を回復しました。

ただ、17日には3日ぶりに反落します。翌18日には反発、19日にはまた1万6000円を割り込むといったように、もみ合う展開となりました。

最近の株式市場の動向を見ると、外国為替市場の影響を受けやすくなっています。毎日の円相場はもちろんのこと、前場から後場にかけて円安方向に触れるだけでも買い戻しの動きが出ます。神経質な展開が続きそうです。

2月22日の週の見通しはどうでしょうか。先週末から今週にかけて、中国経済、欧州経済、原油価格などについては、ポジティブな材料がいくつか出たものの、依然として懸念は続きます。

26日・27日には、中国の上海で20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれます。金融市場の不透明感を和らげる、何らかのメッセージが出されると思われますが、力強く買いに回るにはまだ勇気がいるところです。

1月21日の16,017円に頭を抑えられる

今週の動きをテクニカル面から見ると、先週末の2月12日に14,952円を付けた後、15日月曜日には大幅に反発しました。

12月1日-12月18日-2月1日の終値を結ぶトレンドラインを引くと、2月12日の価格が、ほぼそのチャネルラインの下限に達していました。各指標は「売られすぎ」を示しており、底値感もありました。大きく下げた後の自律反発の動きが出たと考えられます。

ただ、15、16日と2営業日続伸した後は、16,000円を挟んで陰線、陽線が交互に出るような展開になりました。

反発した後、1月21日の16,017円を超え、サポートラインになるようであれば、25日の移動平均線、さらには目先の目標として意識されやすい17,000円、2月1日の17,865円などが目標として視野に入っていたところですが、実際はむしろ、1月21日の16,017円に頭を抑えられた形になりました。

16,000円前後からどちらへ抜けるかがポイント

今後の展開ですが、重要なのは、16,000円を挟むもみ合いからどちらへ抜けるかです。

ただし、今週の動きを見ると、もみ合いとはいうものの、下値が切り上がるアセンディングトライアングル(上昇三角形)の形になっています。上値抵抗ラインとなる16日の高値(16,341円)、18日の高値(16,337円)あたりをブレイクすれば、保ち合い抜けと見ていいでしょう。

逆に、三角保ち合いを下抜けし、17日の安値(15,632円)より下がるようであれば、再び15,000円割れの可能性もあります。

ここで注意すべきは、三角保ち合いを上向けても、トレンドラインの上限(=ほぼ25日移動平均線)が意識されることです。12月1日以来、3度にわたってトライしていますがいずれも跳ね返されています。今回もまた頭を抑えられることもあり得ます。

来週末の2月26日・27日にはG20が開かれることから、外国為替市場も様子見になるのではないでしょうか。日経平均株価も、来週いっぱいもみ合いが続くことも考えられ、なかなか動きが見えにくい週になりそうです。

目線は上ながらも、節目を超えることができなければ、戻り売りも選択肢に入れます。

いずれにしても、まずは、16,000円前後のもみ合いの抜けを確認してから出動するほうがリスクは少ないでしょう。

【2016年2月19日 下原 一晃】

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下原 一晃