株式市場の振り返り-円高進行を受けて大幅下落、営業日続落

2016年2月12日(金)、祝日明けの東京株式市場は大幅下落となりました。日経平均株価は前日比▲4.8%下落、TOPIXは▲5.4%下落で引けています。いずれも3営業日続落ですが、この3日間で日経平均株価は▲12%下落、TOPIXは▲13%下落となりました。

前日(11日)の米国株式市場でダウ工業株30種平均が5日続落したこと、急激な円高進行で一時110円台をつけたこと等を背景に、日経平均株価は寄り付きから大幅安となり、前引け直前には年初来安値を更新。結局、前場は15,000円を割り込む水準で引けています。

前引け後に黒田日銀総裁が首相官邸を訪れ、安倍首相と会談をした後に、「為替を含め市場動向を注視する」と述べたこともあり、後場は一時下げ幅を縮小しました。しかし、“アベクロ会談”に特段の目新しい情報がないと判明した後は、再び下げ幅が拡大。結局、大引けは前日比▲760円安の1万4,952円で終わっています。

東証1部で上昇したのは53銘柄、値下がり1,877銘柄、変わらず7銘柄でした。東証1部の出来高は47億416万株、売買代金は4兆1,833億円(概算)となっています。出来高、売買代金とも通常より膨らんでいますが、これはミニSQ算出確定に伴うものです。

セクター動向と主要銘柄の動き―33業種全てが下落、銀行株が相対的には小幅下落に止まる

東証33業種の全てが下落しました。その中で下落幅が小さかったのは、パルプ・紙▲1.4%、電気・ガス業▲2.1%、銀行業▲3.2%などであり、逆に下落率が大きかったのは、海運業▲8.8%、その他金融▲8.7%、証券業▲8.6% などでした。全面安の中、“アベクロ会談”のニュースが流れたこともあり、前日まで大幅安が続いた銀行株が相対的には小幅下落で止まっています。しかし、まだ本格反発の動きは見えていません。

個別では、好決算・配当増額のすかいらーく(3197)が大幅高となり、自社株買いを発表した京セラ(6971)も上昇しました。一方、トヨタ自動車(7203)は連日の大幅下落でした。その他、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)などメガバンク株も軟調でした。旭ダイヤモンド工業(6140)、カルソニックカンセイ(7248)など決算内容が期待を下回ったと見られる銘柄も大きく売られました。

本日のポイントと注目テーマと関連銘柄―反発期待は大きいが、春節明けの中国市場の動きを注視

12日のNY市場は6営業日ぶりに大幅反発し、ダウ工業株30種平均は+313ドル高となりました。この流れを東京市場が受け継ぐことができるか注目です。また、15日からは春節明けの上海市場が再開されます。中国経済の動きに再び焦点が移る可能性もあるでしょう。

反発が期待される日本株ですが、その中でも金融セクター、とりわけ、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)や三井住友フィナンシャルグループ(8316)等のメガバンク株に注目したいところです。また、ソフトバンクグループ(9984)やKDDI(9433)など、先週後半は非常に厳しい下落となった通信株の動向にも目を向けて行きたいと思います。

【2016年2月15日 投信1編集部】

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LIMO編集部