グリーンジャンボ宝くじの期待値は1枚あたり147円

「期待値」という言葉があります。サイコロを振るといった試行を行ったときに得られる数値(賞金など)の平均値のことです。

期待値=確率×数値 で求められます。

3月18日(金)まで、「グリーンジャンボ宝くじ(第691回 全国自治宝くじ)」が発売されています。

1等の当せん金は4億円で、当せんする確率は1000万分の1です。

1等の期待値=1/10,000,000 × 400,000,000=40

期待値は40円です! 300円投資してそれだけ? と感じますね。

実際には1等の前後賞や2等以下の等級もあります。これらを合わせ、期待値を計算すると、1枚あたりの期待値は約147円になります。300円投資して147円が回収できる(約49%の回収率)ということです。

「投資」として考えると、かなり低い期待値ですが、買わない宝くじは当たりませんので、買ってみるのもいいでしょう。ただし、買えば買うほど損失の期待値も増えます。計算上は「1枚買えば十分」ということになります。

ギャンブルが強い人は「期待値」で考える習慣が身に付いている

「ギャンブルが強い人」と言うと、ここぞというときに強いカードを引き当てたり、馬券を1点買いして的中させたりするような人をイメージするかもしれません。

もちろん、そういう「運」の要素もないわけではないのですが、実際にカジノやギャンブルで食べている人(ポーカーのプロなど)が書いた本を読むと、トッププレーヤーと呼ばれる多くの人が、「ワクワクするようなものではない。淡々とプレーするだけ」といったことを語っていることがわかります。

ポーカーであれば、相手の力量に応じて、どのような戦略を取ればどれだけリスクがあり、どれだけリターンが見込めるのかという期待値を考慮し、その時点で最適な選択をすることを繰り返すことで、長期的には利益が得られるわけです。

マージャンが強い人は、場に見えている牌(はい)を見たり、対戦相手の手牌を予想したりして、山に残っている牌の枚数を計算し、手役のつくりやすさ(確率)と得点を天秤にかけながら手作りをします。

期待値が低いときには「休む」のも選択肢の一つに

競馬などの公営ギャンブルでも、1着の馬を当てるのではなく、「この馬(確率)で、このオッズなら、期待値(回収率)が100%を超える」といった買い方をすれば、利益が得られることになります。

「その確率がわからないから苦労しているんだ」と言われそうですが、やみくもに当てにいくのではなく、確率や期待値の視点で馬券を「利益が出るように」選ぶというだけでも、だいぶ違うのではないでしょうか。

株式投資についても、特定の銘柄が「上がる確率」や「値上がり幅」などを予測するのは難しいのですが、「いつ、どんなときに値が動くのか」、「上がるとすればどこまで上がるのか」という視点を持つことで、トータルな収益性が上がると思います。

私の個人的な考えでもありますが、テクニカル分析も、「上がりそうな銘柄を当てる」のではなく、「ある地点(たとえば移動平均線など)を上回ったら、さらに上がる確率が高い」「上がるとすればこのあたりまで(直近の節目など)」と、「期待値」の視点で利用するほうが使い勝手はいいと思います。

逆に、重要な指標の発表があったり(確率がわからない、悪い)、ボラティリティが小さく、上がったとしても値幅が取れそうになかったりするときは「期待値が低いので休む」というのも一つの選択肢になるでしょう。

【2016年3月14日 下原 一晃】

■参考記事■

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下原 一晃