米FRBは利上げを続けられるのか? 3月17日2:30のイエレン議長発言に注目

この記事の読みどころ

3月15日(水)~16日(木)に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の動向に注目です。

今回の利上げの可能性は低いのではないでしょうか。

今回の注目点は、3月17日(木)午前2:30(日本時間)に予定されているイエレン米FRB議長の定例記者会見です。

2016年15日(水)~16日(木)開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の動向に注目

3月10日、欧州中央銀行(以下、ECB)の定例理事会で、ドラギECB総裁は市場予想を上回る強力な景気刺激策を発表しました。

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一方、米連邦公開市場委員会(以下、FOMC)の課題は、欧州やアジア諸国といった他国の中央銀行と正反対の金融政策を、どこまで取り続けることが可能かといった点になってきています。

また、年内の利上げを継続することは、ドル高要因から米国内の製造業従事者の反発を招きかねず、米大統領選での議論にも上がりそうです。

今回の利上げの可能性は低いか

前回のFOMC声明文を読み込むと、雇用判断を上方修正したものの、景気の現状判断を下方修正したことから、米FRBは依然として慎重な景気判断を下していると思われます。

直近では、米原油先物(WTI)価格が下げ止まる傾向にはありますが、実体経済に関するデータが揃い始めるのは、もう一段先になります。したがって、今回の利上げの可能性は低いと筆者は考えます。

今回の注目点は、3月17日(木)午前2:30に予定されるイエレン米FRB議長の定例記者会見

こうした中、イエレン米FRB議長の定例記者会見に注目が集まりそうです。

前回、1月FOMCの声明文で、経済見通しについて「世界の経済・金融情勢を注視」との文言が入りました。この経済見通しのリスクの文言が「均衡している」等の表現に変更されることがあれば、次回、6月に利上げの可能性が高まります。

今回のようなケースでよく用いられる文言は、「FOMCは引き続き経済見通しと労働市場のリスクがほぼ均衡しているものと見ているが、海外情勢をモニターしている」等になります。

【参考情報】米連邦公開市場委員会(FOMC)の基礎知識

そもそも米連邦公開市場委員会(FOMC)とは

米FOMCとは、Federal Open Market Committeeの略称で、米国の金融政策を決定する最高意思決定機関です。

会合は約6週間毎の火曜日に年8回行われます(2日間開催の場合は、米現地時間で火曜日と水曜日)。また、金融危機などの不測の事態が発生した場合は、随時開催されます。

米FOMCの構成メンバーについては、米FOMC議事録について執筆した以下の記事に記載していますので、参考にしてみてください。

参考:「2016年1月7日(木)公表の米FOMC議事録で声明との「ズレ」は生じるか?

米FOMCでは、各地区の連邦準備銀行のベージュブック(景況報告)や、米FRB調査統計局が作成したグリーンブック(経済報告)をもとに議論が行われます。

また、メンバーの多数決によって、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標、景況判断、今後の政策方針等が発表されます。

近年では、米FOMC後に行われる米FRB議長による定例記者会見の内容も注目されています。

ECBについて執筆した前回の記事、「気になる欧州中央銀行(ECB)政策金利とドラキ総裁会見。3月10日(木)は要注目」でも説明しましたが、現在、各国の中央銀行では、政策金利の①上限、②本来の政策金利、③下限の3つを設定しています。この政策は、コリドー(回廊)・システムと呼ばれています。

細かい話になりますが、米FRBの場合、①上限=公定歩合、②本来の政策金利=FF(フェデラル・ファンド)金利、③下限=超過準備に支払われる金利(IOER)である付利金利と定義しています。

※元データの確認は、FRBのウェブサイトをご参照ください。

【2016年3月14日 投信1編集部】

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岡野 辰太郎

1976年生。大学在学中、マイクロソフトのインターンシップへ参加。
横浜国立大学大学院卒業後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社の投資ストラテジストとして、リサーチ業務に従事。
同社退社後、Webサービスの開発・運営を行う株式会社アーブを設立。モノづくりのクラウドファンディング「SpotLight(スポットライト)」を運営中。