株式市場の振り返り-メジャーSQをこなして続伸、後場に入ってから動意づく

2016年3月11日(金)の東京株式市場は続伸となりました。日経平均株価は前日比+0.5%の上昇、TOPIXも+0.5%の上昇で引けています。また、東証マザーズ総合指数は+2.2%の上昇となりましました。

日経平均株価は、ECB理事会の結果などを受けて、前日比▲242円安の16,610円で寄り付きました。ただ、その後は下げ渋り、前場は▲146円安の16,705円で引けました。メジャーSQを終えたこともあり、後場は一転して買いが優勢となり、一時は17,000円台を回復しました。ただ、買い一巡は伸びがやや鈍り、結局、前日比+86円高の16,938円で引けています。

東証1部で上昇したのは1,295銘柄、値下がり533銘柄、変わらず115銘柄でした。東証1部の出来高は27億6,156万株、売買代金は3兆883億円(概算)となっています。メジャーSQ算出日で売買代金は3兆円超えに膨らみました。

セクター動向と主要銘柄の動き-28業種が上昇。銀行株が買われる。

東証で上昇したのは28業種、下落したのは5業種でした。上昇率上位は、銀行業+2.7%、鉄鋼+2.0%、建設業+1.4%でした。一方、下落率が大きかったのは、鉱業▲0.7%、サービス業▲0.4%、ゴム製品▲0.4%などでした。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などのメガバンク株、新日鐵住金(5401)などの鉄鋼株、積水ハウス(1928)などの建設株が買われました。また、日本政策投資銀行による株式公開買い付け(TOB)提案を受けたと報道された鬼怒川工業(5196)はストップ高をつけました。

一方で、国際石油開発帝石(1605)などの鉱業株や、既存店売上減のラウンドワン(4680)、ブリヂストン(5108)なども売られました。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-国内外での金融政策に関わるイベントに注目

11日(金)の東京市場は、軟調なスタートになったものの、後場は一転してプラスに転じるなど、ここ数日見られなかった動きがありました。また、メジャーSQ算出日の影響があったにせよ、売買代金が久しぶりに3兆円を超えたことも特徴だったと思います。

14日(月)からは金融政策のイベントが立て続きます。14~15日は日銀の金融政策決定会合、15~16日はFOMC(米国)、18日は日銀の1月の金融政策決定会合の議事要旨公表、17~18日にEU首脳会議、などが予定されています。また、今週はIPOが12件予定されるなど、新規公開ラッシュでもあります。

確かに、一時的には、これらのイベントを見極めたいという様子見スタンスが出るかもしれません。しかし、各イベントの結果を受けて、株価が大きく動き出す可能性は高いと考えられます。実際、11日の株式相場では、その予兆は十分にあったと言えるのではないでしょうか。

さて、いつの間にか3月も中旬となり、週末には気象庁や民間企業などによる桜の開花予想が出揃ったようです。それによると、東京の開花は3月21日となっており、あと1週間で開花宣言が出ることになります。いよいよ春本番を迎えようとしています。

ところが、週末の各テレビ局の天気予報では、今週は気温が想定より高くなると見込まれるため、開花が早まる可能性が高まったと言っていました。どうやら、3月18日~19日になるため、開花予想よりも2~3日早まる模様です。開花予想の対象となっているソメイヨシノは、非常にデリケートな桜で、わずかな気候変化でも、それを敏感に感じ取って、開花が早まったり遅くなったりするようです。

実は、この時期の株式相場にも、似たような面があります。決算の3月期末を控え、いわゆるお化粧買いや、利益確定売りなどにより、些細なニュースにも反応しやすいのです。前述した通り、今週は金融政策に関するイベントが目白押しですが、その結果を見極めて…と考えていると、あっという間に株価が大きく動く可能性があります。今週は相場から目が離せません。

そのような中、14日(月)は、為替が円安に振れ始めたこともあり、自動車・電機・精密などの輸出関連株、11日に下げたFA関連株や医薬品株の反発、決算発表が近付きつつある小売株に注目したいと思います。

【2016年3月13日 投信1編集部】

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LIMO編集部