株式市場の振り返り-今年初の4連騰、終値でも17,000円台を回復

2016年3月4日(金)の東京株式市場は続伸し、今年初の4連騰となりました。日経平均株価は前日比+0.3%の上昇、TOPIXは+0.4%の上昇で引けています。また、東証マザーズ総合指数は+1.2%の上昇となりました。

日経平均株価は、3連騰の反動に対する警戒などにより、前日比▲32円安の16,927円の小幅安で寄り付きました。利益確定などの売りが一巡した後は下げ幅を縮め、前場は前日比▲4円安の16,956円で引けました。

後場はやや円安に転じたことで一時は+82円高になる場面も見られましたが、その後は様子見スタンスが強まりました。結局、日経平均株価の終値は前日比+54円高の17,014円となり、終値ベースでは2月8日以来、約1ヶ月ぶりに17,000円台を回復しています。

東証1部で上昇したのは1,421銘柄、値下がり433銘柄、変わらず86銘柄でした。東証1部の出来高は26億5,272万株、売買代金は2兆4,902億円(概算)となっています。売買代金は3日連続の減少になるなど、引き続き低調でした。

セクター動向と主要銘柄の動き-鉱業が6%超の大幅上昇、通信の主力株に売りが目立つ

東証では26業種が上昇、7業種が下落しました。上昇率が高かったのは、鉱業+6.4%、石油・石炭製品+2.9%、ガラス・土石製品+2.8%などでした。一方、下落したのは、医薬品▲1.9%、情報・通信業▲1.7%、保険業▲0.6%などでした。

個別銘柄では、シャープ(6753)が鴻海精密工業の買収協議が進展するとの期待から大幅上昇となりました。また、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)やトヨタ自動車(7203)などの主力株も小幅上昇となりました。一方、日本電信電話 (9432)、KDDI(9433)、NTTドコモ(9437)などの通信大手が下落しました。その他にも内需関連銘柄の下げがやや目立っています。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-米国雇用統計への反応を見極めるも、好循環の醸成は続く可能性

4日(金)に発表された注目の米国雇用統計(2月)は、非農業部門雇用者数は予測を大きく上回る24万2,000人となり、失業率は4.9%の低水準となりました。好結果である一方、平均時給は1月実績比で微減になるなど、若干気掛かりな点もありました。

雇用統計の発表を受け、4日のNY株式市場は小幅高となりました。ただ、思ったほどドル高(円安進行)になっていないため、7日(月)の東京株式市場への影響はやや見極めにくい状況です。日本株が大きく売られる局面ではなさそうですが、積極的な買い手不在の状態はまだ続きそうです。個人投資家の投資マインドが“リスクオン”になるのを待ちたいところです。

その投資家マインドが好転する1つのきっかけは、今の連騰が続くことになるでしょう。特段大きなニュースがない週明け7日の相場は、5連騰が達成できるかにも注目したいところです。もう1つの目安としては、売買代金の増加があります。とりあえずは、3兆円をコンスタントに超えたいところです。

ただ、日本株相場が好循環を醸成し始めている可能性が高いことは確かです。些細なポジティブニュースにも反応する局面もあるでしょうから、様々なニュースフロー、とりわけ、国内経済対策に関するニュースは要注目となりましょう。

そのような状況で、7日の注目セクターとして、2月決算期の小売株、出遅れ感のある輸出関連株、シャープの買収案件が落ち着きそうな電機セクターなどに着目したいと思います。

【2016年3月6日 投信1編集部】

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LIMO編集部