【格言から相場を読む】人の行く裏に道あり花の山-さすが千利休。目の付け所が違う

「人の行く裏に道あり花の山」とはどのような意味か

もともとは茶人・千利休の句とも言われ、株式市場では非常に有名な格言です。株式のみならず、市場というものは群集心理によって過剰に動くことがあります。人が群がる道を避け、その裏道をどんどん進んでいくと誰も気づいていない花の山があるというのは非常にうまい表現です。こうしたスタンスを「逆張り(ぎゃくばり)」と呼ぶこともあります。

株式市場では良くある話ですが、株は何を買っても儲かると思っているとその後に大暴落が来て、早めに利益を確定した人だけが笑うことがあります。また、その逆で、株なんて全然上がらないじゃないかと思っていると、急に相場が急騰することもあります。

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実態(ファンダメンタルズ)以上に投資対象への期待値が高まればバブルにもなるし、実態よりも期待されなければ後になってみれば「なんでこんなに割安で放置されていたのか!?」と思うような銘柄もたくさんあります。群集心理とは恐ろしいものです。

この格言を今後にどう生かすか

アベノミクスが2012年末に始まって以降、株を買っておけば儲かるという時期がしばらく続きました。しかし、株式市場でそんな良い時期がいつまでも続かないことは、投資経験の長い人ほどお分かりかと思います。

民主党政権の際には、超円高かつ日経平均株価も1万円を下回っていたのにもかかわらず、多くの人は株に手を出そうとはしませんでした。みんなの期待とはそのようなものです。誰も株式に見向きもしない時には、高配当で事業が手堅い銘柄や、今後大きく伸びそうな銘柄をじっくり探すチャンスともいえます。

そんな円高・株安の状況がしばらく続きましたが、政権が民主党から自民党に代わり、2%のインフレ目標や大胆な金融政策とともにアベノミクスが始まりました。こうした政治や経済に関係するイベントなどを事前に読み切ることは不可能ですが、誰もが見向きもしない時期に株を仕込んでいた投資家は笑いが止まらなかったでしょう。

ところが2016年に入り、日本だけではなく、世界の株式市場も大幅に下落し始めました。「米国経済だけは大丈夫」と世界中の多くの投資家が考えていたでしょうが、実際には米国の株式市場も下落しています。株式市場には、絶対大丈夫ということはほとんどないのでしょう。

大手ネット証券の投資信託の販売動向を見ていますと、現時点では、再び日本株は上昇すると思っている個人投資家が多そうです。一部ですが、日本株に弱気な見方をする個人投資家もいますが、いまだ強気派が主流です。

そうした強気派が多い現状を見ると、再び日本株が力強く上昇するためには、もう少し時間を要するのかもしれません。「人の行く裏に道あり花の山」の意味を今一度噛みしめながら、群集心理もしっかりとウォッチしておく必要があります。

【2016年3月3日 投信1編集部】

■参考記事■

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投信1編集部

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