この記事の読みどころ

日本株の上昇に対してレバレッジをかける投資信託が上位にランキングしています。

個人投資家は日本株に対して強気一辺倒ではなく、先行きは暗いと見ている個人投資家もいることが分かります。

マイナス金利の投資環境を享受できる金融商品としてREIT(リート)の動きに注目したいと考えます。

マネックス証券の月間売れ筋ランキングから

2016年1月4日から29日のマネックス証券の投資信託月間売れ筋ランキングから、個人投資家が株式市場をどのように見ているのか、またどのような期待値を持っているのかを考えてみたいと思います。

2016年は年始以降、株式相場は日本株に限らず世界の株式市場も波乱のスタートとなりました。「相場のことは相場に聞け」とよく言います。つまり、市場参加者の考えを理解することが投資を始めるための第一歩です。

その意味で、ランキングは単純にどのファンドが売れているかを知ることができるだけではなく、個人投資家がどのようなことを考えているのかを知るためには有効なツールになります。

まずは、ランキングを見ていきましょう。

第1位:楽天日本株4.3倍ブル

第2位:ニッセイ日経225インデックスファンド

第3位:日経225ノーロードオープン

第4位:SBI 日本株3.7倍ブル

第5位:SBI 日本株3.7倍ベア

第6位:楽天日本株トリプル・ブル

第7位:ニッセイ外国株式インデックスファンド

第8位:日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)

第9位:ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)

第10位:ワールド・リート・オープン(毎月決算型)

やっぱり日本株が好き

ここからは様々なことが見えてきます。1つずつ見ていくことにしましょう。

第1位、第4位、第6位には日本株の上昇に対してレバレッジをかける投資信託がランキングしています。個人投資家は2016年始以降、日本株が下がる中、引き続き日本株の上昇に期待している、つまり強気ということが読み取れます。

また、第2位にランキングしている日経225のインデックスファンドも、基本的には日本株が下がったので信託報酬が低いインデックスファンドでも買っておこうということなのでしょう。

日本株強気一辺倒だけではない日本の個人投資家

一方、第5位には日本株が下がるトレンドにレバレッジをかけることで投資リターンを得ようとするベア型の投資信託がランキングしています。

先にコメントしたように、日本株の上昇する方向を期待している個人投資家が多くいる一方で、日本株の先行きは暗いと見ている個人投資家もいるということでしょう。ここからは、株式市場の見方も、楽観的な見通しの投資家だけではないということが分かります。

こうした両意見があるのが株式市場なのですが、株式市場が再び、アベノミクスが始まり株価が上がってきた時のような状況になるためには、もう少し投資家が自信の持てる材料が必要だということなのでしょうか。

マイナス金利下での資産運用とは

第9位と10位にはREIT(リート)の投資信託がランキングしています。

日本銀行は金融政策の新たな挑戦としてマイナス金利を選択したわけですが、個人投資家が保有する資産の対象として、マイナス金利の投資環境を享受できる金融商品としてREITが選択肢に入ってくる可能性があります。

ただ、日銀のマイナス金利導入発表が1月29日でしたから、今回のランキングにはまだ反映されていないでしょう。その意味では、2月のランキングでの動きが大いに注目されます。

【2016年3月2日 投信1編集部】

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LIMO編集部