マイナス金利始動―個人投資家はどのように資産形成を進めているのか?

この記事の読みどころ

マネックス証券の最近の売れ筋投資信託の傾向を分析しました。

マイナス金利で運用が従来以上に難しくなっている中で、株式よりリスクが低く分配金利回りが高い毎月分配型の海外REIT(不動産投資信託)に投資する投信が売れています。

次に人気があるのは日本株上昇のメリットを享受する投信です。しかし長期投資の受け皿であるNISAでは日本株のアクティブ投信や外国株式のインデックスファンドなど、長期投資向きの商品が人気です。

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ベルギーのテロ事件の影響が色濃かった2016年3月22‐25日

3月14‐18日に日銀の金融政策決定会合と米国の連邦公開市場委員会が開かれ、株式市場には安心感が醸成されていましたが、22日にはベルギーのブリュッセルでテロ事件が発生しました。その後25日にかけては、原油をはじめとする資源価格が横ばい、ないし下落する展開でした。株式市場は、日本や中国が上昇しましたが、欧州と資源国は軟調でした。

では、個人投資家はこうした投資環境の文脈の中でどう行動したのでしょうか。

マネックス証券の2016年3月22‐25日の投信全銘柄売れ筋ランキングを見る

まず、全体ランキングです。

第1位:ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)

第2位:ワールド・リート・オープン(毎月決算型)

第3位:楽天日本株4.3倍ブル

第4位:ニッセイ日経225インデックスファンド

第5位:日経225ノーロードオープン

マネックス証券の2016年3月22‐25日のNISA売れ筋ランキングを見る

では、NISAの売れ筋ランキングはどうでしょうか。

第1位:ひふみプラス

第2位:ワールド・リート・オープン(毎月決算型)

第3位:ニッセイ外国株式インデックスファンド

第4位:ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)

第5位:ニッセイ日経225インデックスファンド

マイナス金利の投資環境に対応を進める個人投資家

このランキング上位を見ると、オプション(保険)を売却しプレミアム(保険料)を分配金の原資とするような分配金を積極的に追求する投資信託は上位に来ていません。

しかし、全体ランキングのトップ2が毎月分配型の世界REIT投信であるように、個人投資家に根強いインカム志向があることがわかります。マイナス金利導入以降、このニーズはますます高まっているようです。

次の売れ筋は日本株の上昇の恩恵を受ける投信です。ブル型投信や、低コストの日経225指数連動型投信が上位に並んでいます。この週は米国の今後の利上げのペースが従来の想定よりもスローになるとの期待から世界的に株価が上がりましたが、日本株は出遅れていました。ここに投資チャンスを見た個人投資家のアクティブな運用が伺えます。

NISA口座は中長期の資産形成向けの投信が売れている

2つ目のランキング、NISA口座での投信の売れ筋は、全体の売れ筋とは少し傾向が異なります。

まず顔ぶれが多彩です。1位は国内株式のアクティブ型であるひふみプラスですが、その後を世界REIT、外国株式、日経225インデックスが追っています。

これは筆者の想像ですが、NISAで1つの投信を買い付けているというよりも、国内株・外国株・外国REITなど複数の資産クラスに分散しながら、積立のように定期的に買い増しをしている投資家がかなりいるのではないかということです。

セルフで投信の分散投資はいかが

NISAの売れ筋から想像すると、自分自身で投信を分散投資している方がいらっしゃるようです。投信は小口で売買が可能で、コストもインデックス型では大幅に低下しています。マイナス金利で運用を悩んでいらっしゃる方は、NISAの売れ筋を参考に、分散投資をセルフで始めてみてはいかがでしょうか。

【2016年3月31日 投信1編集部】

■参考記事■

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投信1編集部

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