個人投資家が2月の鉱工業生産指数から読み取るべきポイントとは

2月の鉱工業生産指数は2か月ぶりのマイナスに

2016年3月30日に経済産業省が発表した2月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は前月比▲6.2%減の93.6になりました。業種別では、15業種中13業種で指数が低下し、上昇したのは石油・石炭製品(石油製品)と窯業・土石製品(ファインセラミックス等)だけでした。

品目別で2月の鉱工業生産をマイナス方向に引っ張ったワースト3は、乗用車、自動車部品、電子部品でした。

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2月にはトヨタ自動車(7203)の大幅減産があり(一部の部品供給不足のため1週間操業停止)、中国・アジア向けスマホ関連部品が年明け以降低調であるとジャパンディスプレイ(6740)、シャープ(6753)、東芝(6502)などから伝えられていたため、大きなサプライズではありませんが、改めて実態の弱さが確認できます。

ちなみに、アクティブ型液晶素子(中・小型)は前月比▲48%減、モス型半導体集積回路(メモリ)は同▲30%減の大幅減となっていました。

最悪期は過ぎたのか?

今回の発表で経済産業省は基調判断を2015年9月から6か月連続で「一進一退で推移している」に据え置きました。また、3月の予測指数は前月比+3.9%の上昇(前回予想は+3.1%の上昇)、4月は+5.3%の上昇という見通しを示しました。

自動車の減産が一巡して決算期末の増産が実施されること、スマホの新製品の生産が始まることなどから、2月を底に回復に向かう可能性があるものの、在庫指数が高止まりしていることや、円高の定着を考慮すると、経産省の予想通りに回復に向かうのか、少々不安が残ります。

あまり悲観的になることもない

日本の経済活動全体に占める鉱工業の割合は20%弱ですが、卸売業、小売業、運輸業の一部は鉱工業製品の流通に関連し密接な関係にあるため、これらの関連産業を考慮すると国内総生産に占めるウエイトは約4割になると言われています。このため、日本株が今一つ冴えないのも理解できます。

とはいえ、2月の生産指数は2012年11月の93.4以来の低水準だったものの、金融危機直後の2009年2月には80割れ、また東日本大震災があった2011年3月には85まで低下したことを思うと、まだまだ生産は高水準を確保していることには留意すべきです。

また、鉱工業生産だけが日本経済の全てではないこと(残りの6割があります)、3月以降も一応は回復が見込まれているため、日本株に投資する個人投資家は、今回の発表を過度に悲観的に捉える必要はないと考えます。もちろん、経済の実態は強くないということを常に頭の片隅に入れておくこともお忘れなく。

【2016年3月31日 投信1編集部】

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投信1編集部

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