株式市場の振り返り-3日ぶりに反発、海外勢の不在で閑散状況

2016年3月25日(金)の東京株式市場は3日ぶりに反発となりました。日経平均株価は前日比+0.6%の上昇、TOPIXも+0.8%の上昇で引けています。一方、東証マザーズ総合指数は▲1.0%の下落となり、5日ぶりに値を下げました。

日経平均株価は、前日比で小幅高の寄り付き後は、17,000円前後で推移する場面が多く見られました。途中でやや弱含んだものの、結局、大引けは前日比+110円高の17,002円となっています。辛うじて17,000円台に回帰した形となりました。

東証1部で上昇したのは1,018銘柄、値下がり794銘柄、変わらず136銘柄でした。東証1部の出来高は18.億1,200万株、売買代金は1兆7,746億円(概算)となっています。売買高、売買代金とも非常に少なくない状況となりましたが、欧米の投資家はイースター休暇に入るため、25日はほとんど参加者がいなかったと推測されます。したがって、この超薄商いはある程度は仕方ないと言えましょう。

セクター動向と主要銘柄の動き-24業種が小幅上昇、9業種が下落

東証1部で上昇したのは24業種、下落したのは9業種でした。上昇率上位は、保険+3.7%、輸送用機器+2.6%、機械+2.0%、証券・商品+1.8%などでした。一方、下落率が高かったのは、建設▲1.3%、情報・通信▲0.9%、空運▲0.7%などでした。

個別銘柄では、トヨタ自動車(7203)を始めとした自動車株が軒並み大幅高となり、ファナック(6954)や安川電機(6506)などのFA関連株、機械株も上昇が目立ちました。また、業績下方修正が相次いだ三井物産(8031)と三菱商事(8058)などの商社株も反発しています。一方で、パイオニア(6773)などの電機セクターの低位株、ソフトバンクグループ(9984)やKDDI(9433)などの通信株に下げが目立っています。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-高配当を狙う動きと、“揺り戻し”の動きに注目

28日(月)も、欧米の海外投資家の多くはイースター休暇中であるため、参加者が少なく、様子見の動きが強いと予想されます。一方で、28日は権利付き最終日であるため、配当狙いの動きは相応に出て来る可能性が高いと言えましょう。3月期末の高配当が見込める銘柄を中心に、売買が活発になると思いますが、相場全体を押し上げるようなエネルギーには至らないと思われます。

16日に開催されたFOMC後の議長会見で、米国の利上げ実施回数が年2回になる見込みが示唆された後、一時は110円/ドル台に突入する円高が進み、それを受ける形で、日本株の下落が起きていました。しかし、ふと気が付くと、いつの間にか為替は113円/ドルを超える円安に戻っています。そして、輸出関連株も反発しています。やはり、急激な動きの後は、何らかの形で“揺り戻し”は起きるものなのでしょう。短期的な動きで言えば、資源価格安で大幅下方修正を発表後に株価が急落した商社株も、既に反発の動きが出始めています。

特段目立った材料がない現在のような株式市場では、こうした“揺り戻し”に注目が一層集まる可能性があります。また、権利付き最終日という特殊要因が、この動きを加速させるかもしれません。この観点から言えば、自動車などの輸出関連株、設備投資関連の機械株、メガバンクを始めとした金融株などに注視したいと思います。また、28日から徐々に本格する2月期の決算発表に関連して、小売株も引き続きフォーカスされるでしょう。

【2016年3 月25日 投信1編集部】

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LIMO編集部