株式市場の振り返り-薄商いの中で続伸するも、後場は荒い値動きに

2016年3月28日(月)の東京株式市場は続伸となりました。日経平均株価は前日比+0.7%の上昇、TOPIXは+1.1%の上昇で引けています。また、東証マザーズ総合指数も+1.8%の上昇となりましました。

日経平均株価は、前日の大幅上昇の反動で前日比+126円高で寄り付いた後は、17,100円を上回る水準で推移しました。しかし、後場に入った13時頃から急速に下げ始め、一時は前日比▲41円安となるマイナスに転じました。その後は再び買いが優勢になり、結局、大引けは前日比+131円高の17,134円で終わっています。続伸となりましたが、後場は値動きが荒い相場となったのが印象的です。

東証1部で上昇したのは1,562銘柄、値下がり301銘柄、変わらず85銘柄でした。東証1部の出来高は18億4,515万株、売買代金は1兆9,283億円(概算)となっています。薄商いが続いており、売買代金は2日連続の2兆円割れとなりました。

セクター動向と主要銘柄の動き-32業種が上昇、下落したのは鉱業のみ

東証1部で上昇したのは32業種、下落したのは鉱業のみでした。上昇率上位は、海運+2.8%、倉庫・運輸+2.1%、鉄鋼+2.0%、医薬品+2.0%などでした。全般的に買われた中で、ディフェンシブセクターの上昇が目立っています。

個別銘柄では、小売株が総じて上昇した中で、とりわけ、高島屋(8233)やJ.フロント リテイリング(3086)などの百貨店株が大きく値を上げました。その他には特に目立った動きはありませんでしたが、主力株ではエーザイ(4523)やアステラス製薬(4503)、武田薬品工業(4502)など医薬品株の強さが光っています。一方、通信株ではKDDI(9433)が値を上げたのに対して、ソフトバンクグループ(9984)は下落するなど好対照でした。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-新年度相場幕開けで決算動向に注目集まる可能性

28日は、権利付き最終日に伴う配当狙いの動きはあるにせよ、海外投資家の参加者が少ないため、平穏な相場になると見ていました。確かに、結果だけ見れば、売買代金が2兆円割れという薄商いの中で、前日比+131円高という静かなものでした。しかし、後場に見られた激しい値動きは、今後の株式市場にとって明るい材料と見ていいでしょう。株式市場の値動きが大きくなることは、中期的に見れば、それが売買高の活況に結びつき、株価上昇へ繋がる可能性は十分あると考えられます。日中の株価が同じ水準(28日なら17,100円前後)にビターッと張り付くようではいけません。

さて、29日(火)は権利落ち日です。権利落ち日ということは、実質的に、新年度相場の幕開けを意味します。受け渡しベースでは新年度相場が始まることで、特定テーマや業績動向に対して株価がより大きく反応し始める可能性があります。イースター休暇明けの海外投資家も戻ってきますので、その動きに注目です。

その29日は、2月期の決算発表が始まった小売セクターに注目です。終わった期の実績も重要ですが、それ以上に、新年度に対する会社予想、及び、企業の見解に注視しましょう。また、円高進行が一服して反発していた輸出関連株は、2017年3月期の業績動向に再び懸念が向かうかもしれません。輸出関連株のみならず、海外投資家が不在に近かったこの数日間で上昇したセクターは、その反落に注意したいと思います。

【2016年3 月28日 投信1編集部】

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LIMO編集部