インテルが2016年1-3月期決算を発表

世界最大の半導体メーカーであるインテルは、2016年4月19日(米国現地時間)に2016年12月期Q1(1-3月期)決算を発表しました(以下、全て特別項目を除いたNon-GAAPベースで記述)。

売上高は対前年同期比+8%増、純利益は同+19%増益で増収・増益となりましたが、Q1実績の売上高が市場コンセンサスを下回ったことや、2016年通期の売上高成長率の見通しを1月時点の「1桁台半ば~後半」から「1桁台半ば」に下方修正したことなどが嫌気され、時間外取引は▲2%安で引けています。

日本のインテル関連株の反応は限定的

インテルの決算を受けた2016年4月20日の日本のインテル関連株は小動きでした。パッケージを供給するイビデン(4062)は+0.1%上昇、新光電気工業(6967)は変わらず、設備投資関連の東京エレクトロン(8035)は▲1.3%下落、日立国際電気(6756)が▲1.5%下落で引けています。

設備投資関連企業の下落が少し気になるところですが、インテルは今回の決算で通期の設備投資計画を「95億ドル±0.5億ドル」とし、前回見通しを据え置いています。このため、4月20 日の下落はインテル以外の要因によると推測されます。

決算と同時に発表されたリストラの裏にある戦略は?

今回、インテルは、決算と同時に全従業員の約11%に相当する▲1.2万人の人員削減を発表しています。

全社の約54%を占めるパソコン関連が含まれるクライアントコンピューティンググループの売上は、数量ベースでは対前年同期比▲15%減と大きく落ち込んでおり、データセンター用やIoTといった成長分野へのリソースシフトを一段と加速するための決断だと思われます。

ちなみに、パソコン関連は、数量は大幅に下落していますが、平均単価の上昇(同+19%増)により、売上高は同+2%の増収を確保しています。このため、非常に厳しい環境下で健闘していることにもなりますが、それに安住せず先を見越してリストラを実行するところに、アメリカ企業の凄味を感じます。

今決算では、サーバー用が含まれるデータセンター関連の売上高は同+9%増、IoT関連は同+22%の増収でした。今後、さらに非PC分野の強化が加速されることで、これらの分野の成長性が一段と高まっていくかを注視していきたいと思います。

また、4月20日時点の日本の関連企業の株価の動きは限定的でしたが、今後、インテルが非PC分野で成長していくことで恩恵を受けられる銘柄も探っていきたいと思います。

【2016年4月21日 投信1編集部】

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LIMO編集部