「お持ち帰り」なら・・・

なので、あなたが純粋にコーヒーの味を楽しみたいとして、さらに量は多ければ多いほど嬉しいという人なのであれば、大きなサイズはお得である、と言っても良さそうです。極端な話、2人か3人で分けて飲むなら、ショート2杯よりベンティ1杯の方が得ですしね。

しかしここで忘れてはならないのは、以前別の記事でも触れた「限界効用逓減の法則」です。飲むコーヒーの量が2倍になっても、それで得られる効用つまり幸せさは2倍にはならない、ということです。持ち帰りであればこのあたりを踏まえて、1円当たりの効用をざっくり計算して買えば良いことになります。

簡単に言いましたけど、自分の効用がいくらなのかは正確にはわからないので、実はそこは「感覚で決めてね」と言っているのと同じことになります(笑)。

私がスタバに行く理由

ただ、私だけが特別ではないと思うのですが、スタバに行くのはそもそもコーヒーが飲みたいから行くわけではないんです。そう、ダークモカチップフラペチーノが・・・ってそういうことでもありません。誰かと打ち合わせをしにいくか、1人でも本なりノートなりを持ってじっくり時間を過ごしに行くんです。

そう、スタバではコーヒーを買っているわけではなく、場所と時間を買っているんですね。純粋に味と価格を考えたら、少なくとも私はそんなにスタバに魅力を感じません。先の価格と量の関係でコーヒーについて考えれば、

 

ざっくりこんな感じではないでしょうか。ここでは、ベンティでもショートでも、飲み終えてからだらだらと居座れるだけの図太さを前提としています。感覚的な議論で恐縮ですが、効用を中心に考えると、量と価格は概ね比例しているのではないかと思います。

つまり、買うべき対象が飲食物であっても、価格と比べるべきなのは原価ではありません。あなたが得られる効用なのです。私はショートでも十分に満足できますし、限界効用逓減のことも考えれば、ショートサイズがお得である、とも言えそうです。

スタバでは好きなサイズを買え!

ということで、身もふたもない結論ですが、スタバでは好きなサイズを買いましょう。量を増やしても限界効用があまり減らず、大量に飲まないと満足できない人は大きなサイズを、小さなサイズで満足できる人は小さなサイズを、ということです。

「ちょっと待って。スタバにはコーヒーの場合は「ワンモアコーヒー」といって、100円でお代わりができるシステムがあるのに、それを考えなくても良いの?」

良い質問です。お代わりできるコーヒーは最初に頼んだコーヒーのサイズ(それより小さいものは可)なので、お代わりをするならベンティサイズにしておいた方が得かもしれません(いきなりお代わりをして2人で分けあえる度胸があればまた別ですが、それ、ルール違反ですからね)。

しかし、コーヒーをベンティサイズで2杯も飲んだら、体調が悪くなりませんか? 私は無理です。もしそうなら、それは「お得」とは言いがたいですよね。お代わりをするタイミングではコーヒーの限界効用は逓減していますから、結局その100円で買うのはほとんど場所代なのです。だから、たくさん飲みたい人ならベンティにしておけば良いのでは、という結論は変わりません。

ちなみにお店からしたら、大きめのサイズを頼んで、さっさと帰ってくれるお客さんが利益率も高くてありがたいということになります。持ち帰りなんて、最高ですね。ただ、買う側からしたら「お得」だから大きなサイズを買うというのは、理屈がおかしいと思います。強いていえば、お店が得をする大きなサイズを買うのはちょっと悔しいので、私はやはりショートを頼みますけどね。

それでは、また。フラスコ代表、安田でした。

安田 修