通信手段は災害時のライフラインの1つ

この度の熊本県・大分県で起きた大地震で被害に遭われた方々には、1日も早く平常の生活に戻ることができるよう切に願うばかりです。

テレビ報道を見て心が痛むのは、水道、電気、ガスのライフラインが完全に切断され、多くの住民の方々が家に戻れず、避難所生活をしばらくの間、余儀なくされそうなことです。

上記のライフライン以外にも、携帯やスマホの電池切れで困ることも多いのではと感じました。安否確認のための通信手段切断は、お年寄りや病人の緊急連絡などにとりわけ深刻な影響をもたらしそうです。

緊急時のスマホの充電に対応できるマグネシウム空気電池

今回の大地震のような緊急時に、スマホなどの充電に対応できる有望な製品として注目されるのがマグネシウム空気電池です。今年3月の「スマートエネルギーWeek」における第7回二次電池展でも、マグネシウム空気電池のブースでは多くの参加者が説明者の話に耳を傾けていました。

マグネシウム空気電池は、電池ボックスの中に水を加えるだけで発電し、スマホ数十台のフル充電を可能にする画期的な電池として登場しました。関連メーカーは古河電池(6937)、藤倉ゴム(5121)の2社です。

古河電池では2014年12月に発売、藤倉ゴムも2016年夏ごろから販売を開始するようです。一見地味な製品に聞こえますが、災害時のスマホ電池切れによる情報遮断を解決する有力な手段として注目されます。

両社の製品(古河電池:MgBOX、藤倉ゴム:WattSatt)については、今年3月7日の記事『災害時のスマホの充電に朗報―マグネシウム空気電池の関連企業は?』で紹介していますので、あわせてご参照ください。

移動式電源車にも注目したい

熊本大地震のテレビ報道を見ていたところ、「電気が寸断されている地区の庁舎の灯りがついた!」と興奮気味に報告する記者が映し出されていました。

被災地で停電が続いていることから、電力各社は移動式電源車を派遣しています。上述の庁舎の電気も、緊急時対応の移動型電源車から供給されたものでした。

この移動式電源車、車体にディーゼルエンジン、タービンエンジンを装備し、軽油やLPガスを燃料に発電するものです。

国内では明電舎(6508)、川崎重工(7012)、IHI(7013)、山洋電気(6516)、エア・ウォーター(4088)などが関連企業で、明電舎が国内ではトップシェアと言われています。

我々の生活から電気がなくなると深刻な事態に陥ります。特に緊急時においては、こうした電源の存在はとても頼もしく感じられるのではないでしょうか。

【2016年4月18日 投信1編集部】

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LIMO編集部