潮目の変化は起きているか―相場を俯瞰し、今後の投資戦略を考える

キュレーターから読者に伝えたいポイント

最近、ちらほらと「相場の潮目の変化」という言葉を聞くようになりました。年初から最近までの悪材料であった円高、原油安、中国景気減速に反転の兆しが見え出したからです。

今回は4本の記事をピックアップし、その要点を解説していきます。過去3か月の株式市場を振り返り、これから本格化する2016年度の企業決算を見極める参考にしていただければと思います。

1-3月期の世界の株式市場の動きを俯瞰し、今後の投資戦略を考える

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この記事では、1-3月の世界の株式市場の振り返りができます。2016年年初から4月1日までの世界の株価指数のベストパフォーマーはブラジル・ボベスパ指数(+17%上昇)でした。連日伝えられているように政治情勢は依然として混乱が続いていますが、ドル安がプラスに働きました。

一方、ワーストパフォーマーはイタリアMIB指数(▲17%下落)で、2番目に悪いのが日経平均株価(▲15%下落)でした。欧州景気は失業率が高止まりしており停滞感が顕著です。日本は円高が足を引っ張りました。

この記事にあるように、この期間は、中国は景気悪化懸念が和らいでいった一方で、日本では懸念が高まったという対照的な動きが見られたことが特筆すべきポイントです。

第96回 第1四半期の振り返りと今後の投資戦略

出所:楽天証券

IMFは日本の経済成長率見通しを下方修正し、中国を上方修正

2016年4月12日に国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しを公表し、2016年の世界成長率予想を+3.2%(2016年1月時点の予想+3.4%増)に下方修正しました。

特に注目されるのは、日本の見通しが、2016年は+0.5%(同+1%)、2017年が▲0.1%(同+0.3%)に下方修正された一方で、中国の見通しが2016年、2017年ともにわずかですが上方修正されていたことです。

日本の下方修正要因としては、2016年は円高と中国以外の新興国経済の需要の弱さ、2017年は消費増税影響が指摘されています。

IMFからも日本は2017年にマイナス成長になる「警告」されたために、市場からの「政策期待」は益々高まることが予想されます。

IMF、世界経済見通しを再び下方修正

出所:ピクテ投信投資顧問

直近の株価は反転だが、これからの決算で注目すべきポイントは

年初来、厳しい相場が続いていた日本の株式市場ですが、4月前半をボトムに反転傾向にあります。

政府の経済対策や日本銀行による金融緩和への期待が高まってきたこと、原油価格が上昇したこと、そして直近では円高の一服などが、相場への影響力が大きい外国人買いの背景にあるようです。

ただし、これが本格的な上昇への転換点かは、まだ不透明です。特に、この記事にあるように、中国経済が本当に好転しているかについては、なお見極めが必要と感じられます。

このため、これからの決算では、実際に中国でビジネスを展開している中国関連企業の経営者のコメントを注視したいと思います。

外国人投資家が日本株を買っている?

出所:楽天証券

目先のメインシナリオはレンジ相場か

4月7日に発行されたDIAMアセットマネジメントのマンスリーレポートでは、日経平均の「2016年度の見通し」は1万4,500円~2万500円で前回見通しと変化はありませんでしたが、「今後3か月間」の見通しについては、前月の「上昇傾向」から、今月は「横ばい」に変更されていました。

今後3か月の懸念材料としては、米ドル高(円安)が目先期待できないことや、それにより4月下旬から発表される2016年度の企業業績見通しは厳しい内容となることが想定されることを指摘しています。

一方、プラス材料としては、5月の伊勢志摩サミットの開催や7月の参議院選挙を控え、財政政策や成長戦略の議論が活発化する可能性があることや、日銀の追加金融緩和期待などを挙げています。

こうした見方が現在の市場コンセンサスであることを頭に入れながら、決算では個別企業の成長戦略や株主還元策に注目したいところです。また、外部環境は刻々と変化するものです。為替、中国経済、原油価格、国内政治、日銀の金融政策などにも引き続き注視していきましょう。

マンスリーレポート(世界の投資環境)

出所:DIAMアセットマネジメント

【2016年4月15日 投信1編集部】

■参考記事■

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投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。