株式市場の振り返り-小幅下落で6日続落。新興市場は大幅高で勢いを取り戻す

2016年5月6日(金)の東京株式市場は小幅に下落し、これで6日続落となりました。日経平均株価は前日比▲0.2%の下落、TOPIXも▲0.1%の下落で引けています。一方、東証マザーズ総合指数は+4.2%の大幅上昇となる続伸でした。再び新興市場に勢いが戻ってきた感じがあります。

日経平均株価は、下落が続いていた反動等もあり、前日比+65円高で寄り付きました。しかし、同日夜に発表される米国雇用統計の動きを見極める動きが強まり、その後は下落に転じ、前場は一時▲158円安となる場面が見られました。2日(月)に続いてザラバで16,000円を割り込んだことになります。後場はやや切り返したものの、結局、大引けは▲40円安の16,106円で終わっています。

東証1部で上昇したのは993銘柄、値下がり843銘柄、変わらず114銘柄でした。東証1部の出来高は21億4,094万株、売買代金は2兆2,385億円(概算)となっています。連休の谷間としては商いが出来た印象があります。

セクター動向と主要銘柄の動き-10業種が上昇、23業種が下落。前日大幅下落した業種に買い戻しの動き

東証1部で上昇したのは10業種、下落したのは23業種でした。上昇率上位は、空運+2.6%、輸送用機器+1.4%、水産・農林+1.1%、陸運+1.0%、ゴム製品+0.8%などでした。一方、下落率が大きかったのは、鉱業▲2.6%、鉄鋼▲2.5%、証券・商品▲2.0%、海運▲2.0%、非鉄金属▲1.7%でした。前日(2日)に大幅下落した業種が買い戻されたように見られます。

個別銘柄では、指数寄与度の大きいソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)、日東電工(6988)、オリンパス(7733)などの下落が目立ちました。また、電機セクターではソニー(6758)が大幅下落となり、シャープ(6753)、東芝(6502)、パイオニア(6773)などの低位株も大きく値を下げています。さらに、金融株では三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)や野村ホールディングス(8604)などが大幅安となりました。一方、ホンダ(7267)や富士重工(7270)などの自動車株が上昇し、セブン&アイ・ホールディングス(3382)や良品計画(7453)などの小売株の一角も値を上げました。情報通信ではKDDI(9433)の好調ぶりが目を引いています。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-主力企業の決算発表ピークの週に。内需関連に注目

日銀の黒田総裁による“ゼロ回答”で株式相場が急落し、憂鬱なGWを過ごした人も多かったと察します。9日(月)からは気を取り直して、株式相場の動向に注目しましょう。GW明けの週は、主力企業を含めた決算発表のピークになります。GW直前からの相場急落を経て、各社の2017年3月期に対する見方に大きな関心が集まるでしょう。

しかしながら、各社の2017年3月期見通しに対しては、大きな期待を持てないのが実情です。特に、輸出関連企業では非常に厳しい計画が公表される可能性が高いと言えます。主力企業の厳しい業績予想が続出し、政府の強力な景気対策を求める動きが強まり、それが“催促相場”となって株価の下押し懸念になることが十分考えられます。個人投資家の方々は引き続き、決算サプライズに飛びつかないことが重要です。

このような状況の下、当面の注目セクターは内需関連にならざるを得ません。その中で、政府の景気対策や成長戦略が具体化して注目される可能性が高い医薬品・バイオ関連、公共投資関連、不動産関連などに着目したいと思います。

【2016年5月8日 投信1編集部】

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LIMO編集部