はじめに

2016年4月28日、日銀から追加金融緩和策なしという“ゼロ回答”を受け、株式市場は大幅に下落しました。

その流れで株価は5月2日も下落し、「しまった、株式市場が期待している間に売却すべきだった」とお思いの方もいらっしゃるかと思います。5月3日には米国市場も大幅に値を下げて始まるなど、連休後も荒れる展開が予想されます。

今回は、個人投資家向け金融経済メディアLongine(ロンジン)の【速報】記事の中からゴールデンウィーク(GW)前に発表された主力企業の決算内容を振り返り、連休明けの株式相場を展望するとともに、今後の株式投資や資産運用について考えたいと思います。

荒れた相場の中でもしっかりした決算を発表したNTTドコモ

NTTドコモ(9437)は、「2016年3月期実績が好決算であるうえ、2017年3月期の会社予想も実質増益、増配、自社株買い継続などが続く。株価に対しては「ポジティブ」な印象」というLongineアナリストの予想の通り、5月2日の株価は上昇し、引けました。

2016年度については、会計処理の変更がありますが、「飛躍の年」となるべく様々な施策が出てきそうです。

出所:【NTTドコモ(9437)2016年3月期決算。2016年は躍動の年になりそうな予感

自動車関連株を占うで重要なデンソーの決算内容

デンソー(6902)は、「計画未達となった実績、及び、楽観的にも見える新たな会社予想、ともに印象は良くない。株価に対して「ネガティブ」な印象」というLongineアナリストの予想の通り、5月2日の株価は大幅に下落しました。

今後の注目点として、「今回の熊本震災の影響により、一時操業停止を余儀なくされたトヨタ自動車の国内生産動向に注目する。2月に実施された操業停止と合わせて、どのタイミングでリカバリー増産が行われるのかによって、同社も含めた自動車部品メーカーの業績が上振れする可能性に注視したい」と筆者のアナリストはコメントしています。

出所:【デンソー(6902)2016年3月期決算。下期の回復を見込む会社予想は楽観的な印象

エネルギー・コモディティ関連銘柄のコマツ

コマツ(6301)は、「大幅減益予想でも短期的な下振れリスクは消えない。株価に対して「ネガティブ」な印象」とLongineアナリストがコメントした通り、4月28日は下げて終えました。5月2日も下げており、実績と見通しに関して株式市場は引き続き楽観視していないようです。

今後の注目点についても、筆者のアナリストは「Longineでは、中国を始めとする新興国における需要底打ち時期に注目する。また、市場変動に左右され難い収益体質を作るための施策についても期待したい」としており、マクロ環境に株価や業績が左右される展開が続きそうです。

出所:【コマツ(6301)2016年3月期決算。大幅減益予想でも消えない下振れリスク

今後の展望

今後も2016年3月期の決算発表が続きますが、2017年3月期の各社による業績見通しは、足元の急激な円高や引き続きリスク視されている中国経済などから、外需依存度の高い企業を中心に保守的な予想を開示してくる可能性が高いと思われます。

短期的には、内需関連株への資金シフトもあるでしょう。また、事業基盤が安定的で、利益見通しの達成確度の高い銘柄を嗜好する「バック・トゥー・クオリティ」のトレンドが続きそうです。長期投資に向く銘柄を、株価を見ながら仕込んでいくというスタイルが良さそうです。

【2016年5月6日 投信1編集部】

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LIMO編集部