決算発表と政治イベントが焦点に―5月株式相場の読み方

この記事の読みどころ

4月の日本株式相場は、過去のパターン通りに値動きの激しい相場となりましたが、最後の最後で日銀に梯子を外された印象があります。

過去25年間における5月の株式相場は、『Sell in May, and go away』という格言を裏付けるように、売り場が見られる一方で、引き続き値動きも激しいと言えます。

5月は金融政策絡みのイベントが予定されていない一方で、G7サミットなど大きな政治イベントがあります。決算発表が注目される中、こうした政治イベントにも目を向けたいと思います。

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先月(4月)の株式相場の振り返り

最後の最後で日銀に梯子を外された“行って来い相場”

過去の4月の相場トレンドは、“意外に強くて、乱高下が激しい“というものでしたが、今年もこの傾向を踏襲したと言えます。特に、乱高下の激しさでは、例年にないものとなりました。

日経平均株価を見ると、3月末の株価(終値、16,758円)との比較では、4月末終値は▲0.5%下落となる横這いでしたが、4月高値は+5.1%上昇、4月安値は▲7.6%下落となっており、月中の値幅が大きくなりました。

終わってみれば元に戻っていた、いわゆる“行って来い”だったと言えます。なお、4月末終値は2015年末比で▲12.4%下落となっています。

4月の日本株相場は、前半は特に大きなイベントがなかったものの、月初め早々の大幅下落を引きずり、弱含みの展開が続きました。なお、3月29日~4月6日にかけては、アベノミクス始動後初となる7日続落を記録しました。

後半になると、月末開催の日銀金融政策決定会合での追加緩和期待等から上昇する場面が見られました。しかし、最終日に“追加緩和なし”が決定され、急落して終わっています。少し大げさかもしれませんが、激動の4月相場だったと言えるかもしれません。

過去25年間の5月の株式相場を振り返る

5月は相場格言通りに“売り場”の見られる展開が多い

さて、皆さんは5月の株式相場にどのような印象を持っているでしょうか。まず、5月の株式相場を見る上で、米国のウォール街に「Sell in May, and go away」という有名な格言があります。これは正しく、「5月に売って、(相場から)逃げろ」という意味ですが、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

この格言が意味するところを一言で表すと、“5月は売り時だ”ということでしょう。それを踏まえて、過去25年の5月の株式相場を振り返って見ます。

そこで、前月末の株価、つまり、4月末の株価との比較を見てみましょう。すると、1991年~2015年までの25年間では、5月末の株価が4月末を上回った(5月末>4月末)のは、約半分の12回あります。確率としては概ね50%です。

さらに、もう少し視点を変えて、同じ期間における4月末と5月の高値との比較を見てみましょう。すると、25回中23回で、5月の高値は4月末を上回っています(5月高値>4月末)。極めて高い確率です。つまり、5月は4月末終値より高くなる局面がある可能性は高いということです。

一方、同じ期間における4月末と5月の安値との比較を見てみましょう。すると、今度は25回中24回で5月の安値は4月終値を下回っています(5月安値<4月末)。これも極めて高い確率です。つまり、5月中は4月末より安くなる局面があるということになります。

これらの結果から、5月には、確かに『Sell in May, and go away』で言われるような“売り時”が見られることがわかります。そして、その売り時の後は、相場が下落する場面が多いことも推察できます。やはり、5月の株式相場も値動きが激しいと言えましょう。

2016年5月の注目イベント、注目セクター

金融政策のイベントがない5月は、決算発表が大きな材料に

4月は最後の最後になって、日銀の金融政策決定会合が株式相場を大きく揺り動かしました。しかし、5月は、日米ともに中央銀行の会合が予定されていません。それだけに、5月の最重要イベントは、まずは決算発表となりましょう。

決算発表は、その内容が織り込み済みであったとしても、“イベント型”ヘッジファンドから見れば、格好の材料になります。最近は場中に発表するケースも増えているため、株価の乱高下に注意が必要でしょう。

伊勢志摩サミットを絡めて、政府の景気対策に注目

決算発表とともに注目されるのが、政府の景気対策です。5月26~27日に行われるG7首脳会議「伊勢志摩サミット」を睨み、消費再増税の実施の有無を含めて、様々な景気対策が公表される可能性があります。

日銀の追加金融緩和が不発に終わった分、政府の景気対策への期待が高まると考えられます。もちろん、政府の回答が期待外れになる可能性もありますが、まずは期待先行が予想されます。

こうした中、決算内容が相対的に堅調と見込まれる情報・通信セクター、国内景気対策が実施された場合の恩恵が期待できる建設セクター、不動産セクター、小売セクターなどに注目したいと思います。

【2016年5月9日 投信1編集部】

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投信1編集部

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