営業利益▲40%減見通し“トヨタ・ショック”は深刻か織込済みかを考える

株式市場の振り返り-ほぼ横這い。薄商いの中、日中の値動きはやや荒い展開に

2016年5月11日(水)の東京株式市場はほぼ横這いとなりました。日経平均株価は前日比+0.0%上昇、TOPIXは▲0.0%の僅かな下落で引けています。一方、東証マザーズ総合指数は+2.4%上昇の反発となりました。新興市場は引き続き好調のようです。

日経平均株価は、NY市場の大幅高を引き継ぐ形で前日比+171円高で寄り付き、その後暫くして一時+249円高まで上昇しています。しかし、前場半ばから急速に値を下げ始め、前引け前には僅かながらマイナスに転じる等値動きが荒くなりました。後場に入ってからは上値が重い膠着状態が続いた後、一時は▲28円安となる場面が見られました。結局、大引けは+13円高の16,579円で終わっています。

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東証1部で上昇したのは899銘柄、値下がり925銘柄、変わらず127銘柄でした。東証1部の出来高は21億2,864万株、売買代金は2兆1,875億円(概算)となっています。全体的には様子見スタンスが強かったと言えます。

セクター動向と主要銘柄の動き-14業種が上昇、19業種が下落。機械セクターが久々のトップ

東証1部で上昇したのは14業種、下落したのは19業種でした。上昇率上位は、機械+1.4%、情報・通信業+1.4%、倉庫・運輸+0.6%、電気機器+0.5%、繊維製品+0.5%などでした。一方、下落率が大きかったのは、その他金融▲1.6%、石油・石炭▲1.4%、陸運▲1.0%、医薬品▲1.0%、証券・商品▲0.9%などでした。機械セクターが久々に大きく買われたことが特徴と言えます。

個別銘柄では、主力株の中では武田薬品工業(4502)、NTTデータ(9613)、テルモ(4543)、日東電工(6988)などの下落が目立ちました。また、決算発表が市場の期待以下だったクラリオン(6796)も値を下げています。引け後に決算発表を控えたトヨタ自動車(7203)も軟調に推移して終わりました。一方、前日に上場来高値を更新したライオン(4912)が続伸し、花王(4452)も僅かながら上昇しました。また、ソニー(6758)やスズキ(7269)などの輸出関連セクターの一角も値を上げました。決算内容が好感されたソフトバンクグループ(9984)は堅調に推移し、大幅増益見通しを公表したIHI(7013)は小幅上昇しています。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-想定の範囲を超える大幅減益見通しを公表したトヨタ株の動きに注目

11日(水)は、決算発表の良し悪しが大きな材料となりました。2017年3月期会社予想を含めて、好決算の銘柄には大幅上昇が目立ち、逆に、期待以下だった銘柄には売りが優勢となっています。また、11日は前場で突如円高に振れ始め、それに伴い、株式相場が急降下する場面がありました。やはり、為替の動きには引き続き注意が必要でしょう。当面は、決算発表と為替の動きがカギになりそうです。

12日(木)に、これら2つの影響を同時に受けそうなのが、大幅減益見通しを発表したトヨタ自動車です。営業利益見通しの▲40%減は、さすがに想定の範囲内とは言い難く、ネガティブ・サプライズに値します。確かに、日経平均株価に占めるトヨタの寄与度はさほど大きくないのですが、そうは言っても最大の時価総額企業です。12日の株式相場が“トヨタ・ショック”となるのか、それとも、織り込み済みで影響は限定的となるのか、大きな注目が集まると思われます。

このトヨタ株の動きにもよりますが、為替影響が大きい輸出関連銘柄に対しては、一層の慎重なスタンスが求められます。落ちてきたナイフを掴まないようにしましょう。

G7伊勢志摩サミットの予定から逆算すると、そろそろ政府による景気対策の中身が出始める頃です。景気対策関連銘柄の中では、不動産セクターにやや出遅れ感があるようです。不動産株の下値を拾うことも意識し始めたいところです。

【2016年5月11日 投信1編集部】

■参考記事■

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投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。