株式市場の振り返り-日経ジャスダック平均は5日続伸も、東証マザーズ総合指数は反落

2016年5月12日(木)の新興株式市場は弱い動きになりました。日経ジャスダック平均は前日比+0.1%上昇して、非常に小幅ながら5日続伸となりました。しかし、現在の新興株式市場の主役である東証マザーズ総合指数は▲2.2%の反落となりました。最近の上昇を踏まえて、利益確定売りに押されたと考えられます。

東証マザーズ総合指数は、4月21日に付けた約9年ぶりとなる高値(1,230ポイント)に再び近付いてきました。12日の相場は、その高値にほぼ並びましたが(ザラバで1,229ポイント)、残念ながら超えることはできませんでした。また、大引けは1,198ポイントとなり、再び1,200ポイントを割り込んで終わっています。ここ数日、終値では1,200ポイントを挟む攻防が続いているようです。

東証マザーズの商いもやや低調が続いています。出来高は3日連続で1億株を下回っており、9,739万株に止まっています。しかし、売買代金は前日に続き、時価総額の大きい銘柄で利益確定売りが出た影響等により、2,000億円回復が目前となる1,947億円となりました。なお、騰落数は値上がり55銘柄、値下がり166銘柄、変わらず4銘柄となっています。

総じて下落が目立つ展開に。医療バイオ関連は利益確定売りを吸収できず

12日の東証マザーズ市場は、時価総額の大きい銘柄の上昇が目立った前日とは異なり、それらの多くが利益確定売りに押されました。目立って下落したのはそーせいグループ(4565)の▲5%くらいですが、ミクシィ(2121)が▲0%、CYBERDYNE(7779)が▲0%、アキュセラ(4589)が▲0%等が僅かながら値を下げています。その他の小型株では、Hamee(3134)が▲11%、アクセルマーク(3624)が▲16%、アウンコンサルティング(2459)が▲10%と急落しました。

時価総額が相応にある銘柄で唯一大幅高となったのは、ストップ高となったブランジスタ(6176)の+15%くらいでした。前日にストップ高となったエナリス(6079)は+1%と続伸しました。その他の注目株では、Gunosy(6047)は▲2%、はてな(3930)も▲2%となり、いずれも3日続落となっています。

なお、医療バイオ関連は、前述したそーせいグループを始め、グリーンペプタイド(4594)が▲7%、アキュセラ(4589)が▲0%など、ほぼ全てが値を下げる結果となっています。利益確定売りを吸収するには至らなかったようです。

新興市場への注目度は引き続き高まる展開、物色“第二波”が押し寄せる可能性も

今週最後となる13日(金)は、過去に経験のない異例の決算発表集中日です。約900社が決算発表を行いますが、多くの新興企業も決算発表を予定しています。場中に発表する企業も大幅に増えると予想されるため、通常以上に株価の乱高下が起きる可能性があります。大火傷しないように、十分気を付けて欲しいところです。

そのような中、政府による景気対策で恩恵がある業種、あるいは、成長戦略に組み込まれそうな業種が物色される展開が見込まれます。12日は下落が目立ったものの、引き続き医療バイオ関連の安くなった銘柄に注目したいと思います。また、週明けからは、一度物色された銘柄やテーマに、その“第二波”が押し寄せる局面が考えられます。自動運転、次世代エネルギー、FinTechなどに注目しましょう。

 

LIMO編集部