日経平均は円高一服で落ち着く。財政出動はあるのか?

【株式テクニカル分析】2016年5月14日号

円安への動きを受けて株価の下落も一服

2016年5月13日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より234円13銭安の16,412円21銭となりました。

5営業ぶりの下落ですが、前日まで4日続伸していることから、週末を前に利益確定売りが出た形です。先々週の急落から戻る動きであり、落ち着きを取り戻してきています。

要因はやはり、為替相場です。4月28日に日銀が金融政策の現状維持を決めたことに加え、米国務省は同日、日本などを為替対策の「監視国リスト」に指定しました。これらの影響を受けて、日本の大型連休中に、円相場は一時、105円台後半にまで上昇しました。

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6日にはさらに、米労働省が発表した4月の非農業部門雇用者数が予想より弱かったことから、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上が先送りされるという見方が強まりました。こういったことからも、週明け9日からは円高・ドル安がさらに加速するのではないかと懸念されていましたが、実際には107円台からのスタートとなり、週内には一時、109円台半ばまで円安へと動きました。

ダドリー米ニューヨーク連銀総裁が、年内2回の利上げを行う可能性があると示唆したことや、麻生財務相が「為替の急激な変動は望ましくない。その場合は介入する用意がある」と発言したことも影響したと考えられます。

円高が一服したことを受けて、10日には5月2日に大きく窓を開けた分を埋め、目先の節目である16,500円も超えました。

来週以降の動きですが、引き続き為替相場の影響を受ける神経質な動きになりそうです。18日には内閣府が、1~3月期の実質国内総生産(GDP)を発表します。2四半期ぶりにプラス成長になるのではないかという声もあります。熊本地震の復旧や被災者支援のための補正予算案も閣議決定し、国会に提出されました。26~27日に開催される伊勢志摩サミットに合わせて、大規模な財政出動による景気刺激策が打ち出されることも期待されています。

さまざまな要因で一喜一憂し、急に一方向に動くような展開が続いているだけに、注意したいところです。

5月2日の急落を窓埋めした後はもみ合う展開に

今週の動きをテクニカル面から見ると、先々週の週明けの5月2日に、大きく窓を開けて下がった分を埋める動きとなりました。ただ、その後は16,500円前後でもみ合う展開となりました。

13日のローソク足の実体に、25日移動平均線、75日移動平均線のいずれもがクロスするような動きで、方向感がつかみづらいところでした。

慎重に上下の目線を判断したいところ

今後の展開ですが、いくつかの展開が考えられます。

まず上目線としては、今週の動きは、2月12日の安値(14,865円)と、4月8日の安値(15,471円)を結ぶトレンドラインのチャネルの下限からの反発と見ることができます。この場合、直近目標として、目先の節目である17,000円、4月25日の高値(17,613円)あたりになります。

懸念されるのは、13日のローソク足の実体が25日移動平均線、75日移動平均線のいずれも下回っていることです。来週、これらを超えることができないと、目線は下となり、下値のめどとしては5月2日の安値(15,975円)、4月8日の安値(15,471円)あたりとなります。トレンドラインがサポートにならなければ、さらなる下落もあり得ます。

ただし、17,000円前後、16,000円前後はともに、過去にもみ合ったところであり、上に行くにも下に行くにも、大きな力が要りそうです。サミットを控え、しばらくはこの間で方向感のない動きになることも考えられます。

 

下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。