株式市場の振り返り-日経ジャスダック平均は小幅続落、東証マザーズ総合指数は大幅安となる反落

2016年5月16日(月)の新興株式市場は下落となりました。日経ジャスダック平均は前日比▲0.6%下落する続落となり、現在の新興株式市場の主役である東証マザーズ総合指数は▲6.7%の大幅下落となる反落でした。新興市場の元気のなさが目立った1日でした。

東証マザーズ総合指数は、4月21日に付けた約9年ぶりとなる高値(1,230ポイント)に近づきつつありましたが、13日の相場は久々の大幅下落となりました。主力銘柄に下げが目立ったのが要因ですが、終値は1,125ポイントとなり、1,200ポイント割れとなりました。ここ数日、終値では1,200ポイントを挟む攻防が続いているようですが、13日はほぼ安値引けとなり、この攻防ラインから大きく押し戻されたような感じがあります。

また、13日は東証マザーズの商いも低調に終わりました。出来高は先週末より増加したものの、8,666万株に止まっており、5日連続して1億株を下回っています。しかしながら、時価総額の大きな銘柄への売りが多かったこと等から、売買代金は2,286億円となり、久々に2,000億円超となりました。先週末から約+500億円増加しています。なお、騰落数は値上が46銘柄、値下がり172銘柄、変わらず7銘柄となっています。

医療バイオ関連銘柄に売りが集中、荒い値動きも多い

16日の東証マザーズ市場は、医療バイオ関連に急落銘柄が目立ちました。その中でも、そーせいグループ(4565)が▲14%、グリーンペプタイド(4594)が▲20%(ストップ安)、アンジェス MG(4563)が▲11%、オンコリスバイオファーマ(4588)が▲8%、ナノキャリア(4571)が▲4%となっています。特に、時価総額最大のそーせいグループは、先週末の決算発表の内容が“売り時”と判断されたようです。

その他の銘柄では、ブランジスタ(6176)が場中にストップ高から急落し、最後は▲23%のストップ安となりました。1日にストップ高とストップ安を記録する荒い値動きとなりました。一方、先週末に買われたアカツキ(3932)も、一時ストップ高まで買われましたが、大引けは+4%上昇にとどまっています。また、ロックオン(3690)が▲18%、ALBERT(3906)が▲19%となり、いずれもストップ安でした。

その他の注目株では、CYBERDYNE(7779)が+0%、Gunosy(6047)は▲8%、はてな(3930)は+0%、エナリス(6079)が▲6%、ミクシィ(2121)が▲4%となっています。

売られ過ぎた医療バイオ関連銘柄は、下値を拾うタイミングを意識し始める好機

新興市場も動き出すと予想した通り、16日の相場は大きく動きましたが、その方向は下方への動きとなりました。13日引け後に発表された、そーせいグループの決算発表受けて、医療バイオ関連に大きな利益確定売りが出た模様で、全体の指数下落を引き起こしたと言えます。また、医療バイオ関連以外でも、新興市場特有の激しい値動きが相次いでおり、その中にはかなり投機的な動きもありました。16日の相場を見る限り、新興市場に“物色第二波”が押し寄せると予測したものの、押し寄せたのは“利益確定売り第二波”だったのかもしえません。

週明けからいきなり躓いた新興市場ですが、それでも引き続き、政府による景気対策で恩恵がある業種、あるいは、成長戦略に組み込まれそうな業種が物色される展開が見込まれます。大きな利益確定売りに押された医療バイオ関連では、16日を含む直近数日で下落して安くなった銘柄に注目です。話題性は未だ失われていませんので、完全に見切るには時期尚早と言えましょう。また、自動運転、次世代エネルギー、FinTechなどにも引き続き注目したいと思います。

LIMO編集部