5月後半の株式相場は伊勢志摩サミット関連イベントが材料に

注目のセクター、銘柄は?

Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com

この記事の読みどころ

  • 5月前半の日本株式相場は、4月末の急落を引きずる形でスタートするものの、懸念されていた大幅下落までには至らずに終わったと言えます。
  • 過去25年間における5月の株式相場は、『Sell in May, and go away』という格言を裏付けるように、売り場が見られる一方で、引き続き値動きも激しいと言えます。
  • 5月後半はG7サミットなど大きな政治イベントがあります。決算発表が終わった今、こうした政治イベントに改めて目を向けたいと思います。
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5月前半の株式相場の振り返り

総じて言うならば「大山鳴動して鼠一匹」

ゴールデンウィーク(以下、GW)があったため、株式相場の営業日数は多くありませんが、早いもので5月も半分以上が過ぎました。前半の株式相場を振り返ってみましょう。

5月は、4月末に起きた“日銀ゼロ回答”による相場急落を引き継いで始まりました。月初にいきなり大幅安となり、相場の先行きに対して不透明感が大きくなりました。その後、やや盛り返したものの、依然として弱含みで推移しています。5月16日(月)の日経平均株価の終値は、“日銀ゼロ回答”が起きる前日である4月27日と比べて約▲5%下落した状況です。

5月前半のトピックは決算発表でした。特に、GW明けの翌週(9日~)には、数多くの企業が決算発表を行い、個別企業の株価は、それに伴って大きく乱高下したものも散見されています。今回の決算発表の最大のテーマは大幅な円高進行であり、とりわけ、輸出関連業種への深刻な影響が懸念されていたと考えられます。

ただ、為替影響の大きい各社が公表した2017年3月期の見通しは、概ね想定内、もしくは、事前の想定よりも良かったものが多かったと言えます。かつてない厳しい業績予想が公表されるのではと心配されましたが、いざ結果が出てみると「大山鳴動して鼠一匹」だったのではないでしょうか。

ただ、その“鼠一匹”に該当するのが、トヨタ自動車(7203)でした。トヨタが公表した2017年3月期の会社予想は、営業利益が▲40%減となる大幅減益見通しで、株式市場に少なからずショックを与えました。しかし、翌日の株価は▲1%強の下落に止まっており、良い意味で拍子抜けしたと言えます。全体的には、大きな株価下落は起きなかったことが、最大のサプライズかもしえません。

過去25年間の5月の株式相場を振り返る

5月は相場格言通りに“売り場”の見られる展開が多い

さて、皆さんは5月の株式相場にどのような印象を持っているでしょうか。まず、5月の株式相場を見る上で、米国のウォール街に「Sell in May, and go away」という有名な格言があります。これは正しく、「5月に売って、(相場から)逃げろ」という意味ですが、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

この格言が意味するところを一言で表すと、“5月は売り時だ”ということでしょう。それを踏まえて、過去25年の5月の株式相場を振り返って見ます。

そこで、前月末の株価、つまり、4月末の株価との比較を見てみましょう。すると、1991年~2015年までの25年間では、5月末の株価が4月末を上回った(5月末>4月末)のは、約半分の12回あります。確率としては概ね50%です。

さらに、もう少し視点を変えて、同じ期間における4月末と5月の高値との比較を見てみましょう。すると、25回中23回で、5月の高値は4月末を上回っています(5月高値>4月末)。極めて高い確率です。つまり、5月は4月末終値より高くなる局面がある可能性は高いということです。

一方、同じ期間における4月末と5月の安値との比較を見てみましょう。すると、今度は25回中24回で5月の安値は4月終値を下回っています(5月安値<4月末)。これも極めて高い確率です。つまり、5月中は4月末より安くなる局面があるということになります。

これらの結果から、5月には、確かに『Sell in May, and go away』で言われるような“売り時”が見られることがわかります。そして、その売り時の後は、相場が下落する場面が多いことも推察できます。やはり、5月の株式相場も値動きが激しいと言えましょう。

2016年5月後半の注目イベント、注目セクター

金融政策のイベントがない5月後半は、伊勢志摩サミット絡みのイベントが材料に

怒涛の勢いで行われた決算発表が終わり、5月後半は重要な政治金融イベントが目白押しです。

日米の金融政策に動きはないと見られますが、5月26~27日に行われるG7首脳会議「伊勢志摩サミット」に絡めて、20~21日にはG7財務大臣・中央銀行総裁会議が日本(仙台市)で行われます。本会議で大きな議題の1つになると思われる経済・金融問題が先行して議論され、大きな方向性が出て来るかが注目点です。そして、それが26日からの本会議に繋がると考えられます。

このような状況の下、まずは政府の景気対策の恩恵銘柄で、この決算発表時に下がった銘柄を拾うことが有効でしょう。建設セクター、不動産セクター、小売セクター、トイレタリーを含む化学セクターが注目です。

また、伊勢志摩サミットで為替相場の風向きが変わることも考えられますので、過度に売られた輸出関連銘柄にも目を向けてください。5月下旬は相場から目が離せそうにありません。

 

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。