株式市場の振り返り-月曜日を上回る急落、1,000ポイントの死守が攻防ラインか

2016年5月18日(水)の新興株式市場は下落しました。日経ジャスダック平均は前日比▲0.7%の小幅下落に止まりましたが、現在の新興株式市場の主役である東証マザーズ総合指数は▲7.8%安の急落となりました。16日(月)の▲6.8%を上回る急落状況となり、先行きに対する不透明感が増しています。ちなみに、▲7.8%安は、2月12日の急落以来の下落率でした。

東証マザーズ総合指数は、明らかな調整局面に入ったと言えましょう。どうやら、4月21日に付けた約9年ぶりとなる高値(1,230ポイント)を抜くことなく、一旦は停滞を余儀なくされそうです。18日の相場では、寄り付きからほぼ一貫して下げ続け、後場には約▲10%安まで下落しました。大引けに掛けてやや戻したものの、終値は1,050ポイントとなり1,100ポイント割れとなっています。先週から、終値では1,200ポイントを挟む攻防が続いてきましたが、明日以降は一気に1,000ポイントの攻防になりそうな予感もあります。

18日の急落が利益確定売りであることを物語るように、商いは相応に活況でした。出来高は7日ぶりに1億株を上回り、時価総額の大きい値嵩銘柄の売買が多かったこと等から、売買代金は3,163億円と久しぶりの高水準となっています。なお、騰落数は値上が41銘柄、値下がり177銘柄、変わらず7銘柄となっています。

医療バイオ関連に大幅安が続出、情報通信関連も総じて下落

18日の東証マザーズ市場の個別銘柄は、主力株の大幅下落が目立ちました。医療バイオ関連では、そーせいグループ(4565)が▲19%、グリーンペプタイド(4594)は▲14%、アンジェス MG(4563)が▲11%、ナノキャリア(4571)が▲10%になるなど、総じてボロボロでした。アンジェス MGは一時ストップ安となっています。

その他では、ブランジスタ(6176)が▲17%となり、3日連続のストップ安となりました。また、情報通信関連では、モルフォ(3653)が▲15%のストップ安、ロックオン(3690)が▲12%となるなど、値を下げたものが目立っています。しかし、アカツキ(3932)は一時ストップ安となりながら、最後は切り返して+0%と僅かながらプラス転換して引けました。

その他の注目株では、CYBERDYNE(7779)が▲4%、Gunosy(6047)は▲5%、はてな(3930)は▲6%、エナリス(6079)が▲5%、ミクシィ(2121)が▲2%となっています。いずれも利益確定売りに押された模様であり、大きく値を下げて終わっています。

嵐が過ぎた後、売られ過ぎた医療バイオ関連銘柄の下値を狙う

18日の東証マザーズ市場は、2月12日の急落の再現を見ているような大幅安となりました。出来高等を見る限り、利益確定売りに押されたと判断せざるを得ません。16日(月)に続く急落により、明日以降も早期の上昇は期待し難く、当面は今回の“嵐”が過ぎ去るのを待つのが得策と言えます。期待していた“物色第二波”は、もう少し先になりそうです。

やや期待外れの感はありますが、新たな成長戦略が大きな材料になる可能性は十分にあります。伊勢志摩サミットと絡めて、これから様々な情報が出て来ると思われますので、今回の停滞局面を、新たなエントリーに向けた準備期間と考えるのもいいでしょう。今週に入ってからの大幅下落で、やや過度に売られた感がある銘柄をチェックしておきたいところです。先ず、19日(木)は様子見スタンスから臨みましょう。

特に、18日の下落が激しかった医療バイオ関連では、直近数日で下落して安くなった銘柄に注目です。話題性は未だ失われていませんので、完全に見切るには時期尚早と言えます。また、成長戦略のネタになりそうな自動運転、次世代エネルギー、FinTech、ドローン、AIなどにも引き続き注目したいと思います。

LIMO編集部