日経平均は円安進行で堅調に。17,000円台回復か?

【株式テクニカル分析】2016年5月21日号

110円台に円が急落し、株価は徐々に値を戻す

2016年5月20日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より89円69銭高の16,736円35銭となりました。先週末13日に400円近く値下がりしましたが、今週は週明けから次第に安値を切り上げ、ほぼ、その下落分を戻す形になりました。

大きな要因は、相変わらずとも言えますが、為替相場の動向です。4月末から5月の上旬にかけて、円高が進み、円相場は一時、105円台後半にまで上昇しました。

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しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が18日公表した4月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で6月利上げの可能性を議論していたことが伝わると、一転してドルが買われる展開となり、19日には一時1ドル=110円台と、3週間ぶりの円安水準になりました。

20日のニューヨーク外国為替市場の円相場では一時110円台半ばにまで円が下落し、110円台をキープしたまま週末を迎えています。市場ではここしばらく、早期利上げの可能性は低いと見られていましたが、利上げ観測が再び高まったと考えられたようです。

来週以降の動きですが、引き続き為替相場の動向には注意したいところです。ただし、26~27日に開催される伊勢志摩サミットを前に、様子見になることも考えられます。サミットに合わせて、政府が大規模な財政出動による景気刺激策を打ち出すのではないかといったことも期待されています。

株価の動きは今週、堅調でしたが、売買代金を見ると、2兆円を下回るペースで、決して活況とは言えません。16,500円~17,000円前後は過去にもみ合ったところであり、しばらくは狭い値幅の中で動き、読みにくい展開になりそうです。

複数の移動平均線が重なり、方向感がつかみづらく

今週の動きをテクニカル面から見ると、先週末13日に大きな陰線で終えた下落分を徐々に戻す動きとなりました。ただし、20日の高値は16,770円で、5月11日の高値(16,814円)、13日の高値(16,804円)にわずかに及びませんでした。

ローソク足の実体に、25日移動平均線、75日移動平均線のいずれもが重なっており、方向感がつかみづらい週でした。

25日移動平均線と75日移動平均線がゴールデンクロスを形成

今後の展開ですが、注目すべきポイントしてはまず、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜けていることです。つまり、ゴールデンクロスが形成されました。

ゴールデンクロスが形成されるのは今年初めてです。昨年の11月中旬にゴールデンクロスが形成されたものの、1月中旬には25日移動平均線が75日移動平均線を下抜け、デッドクロスとなりました。以来、株価の下落が続いていましたが、ここに来てゴールデンクロスが形成されたことで先高観も出てきました。

ただし現状はまだ複数の移動平均線が狭い範囲に集まっている状態です。また、4月25日の高値と5月2日の安値(15,975円)の間の半値戻しである16,794円あたりに頭を抑えられた形にもなっています。

上目線を確認するためには、まずはこのラインを超えることが必要です。そこを抜け、さらにその上の目標としては、目先の節目である17,000円、4月25日の高値(17,613円)あたりになりそうです。

サミットを控え、なかなか積極的に出動しづらいところです。直近の円安傾向についても、短期的なものとする意見も少なくありません。材料次第でどちらにでも動きそうです。柔軟に対応できるよう、備えておきたいところです。

下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。