レビュー:米ドルが上昇し日本株の上昇が目立った1週間

先週(5月16日‐5月20日)の主要国の株式市場は小動きでした。南アフリカ株・日本株が上がり、ロシア株・ブラジル株が下げましたが、これらを除けばおおむね小幅の騰落に終わりました。

先週の最大の材料は、4月の米国連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で6月利上げが示唆されたことでした。この結果、米国10年債の利回りが上昇、米ドルは対円、対ユーロで上昇しました。一方、金価格は教科書通り下落しました。原油価格は上昇しています。

株式市場の反応は、円安を受けてTOPIXは上昇しましたが、その他の主要国の株式市場は小動きでした。資源国の株価が総じて下げています。個別では、アップル(AAPL)、アプライド・マテリアルズ(AMAT)などのテクノロジー株やウォルマート株が上昇しています。

先週の主要市場の動き

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

 

年初来の主要市場の動き

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

 

アウトルック:米6月利上げ後のテーマ探しの展開へ

今週(5月23日‐5月27日)は、米国6月利上げ後のテーマを探す相場になりそうです。

先週末のG7財務省・中央銀行総裁会議は為替相場の安定と成長重視で一致点を見ましたが、財政出動の足並みが揃ったとは言えない結果と理解されます。事前に催促相場にはならなかったため、大きなサプライズはないでしょう。また今週末の伊勢志摩サミットの経済面での成果もここから大きく離れることはなさそうです。予想される日本の景気対策も大幅な円安誘導につながるものにはならないと心得たほうがよいでしょう。

次の米国の連邦公開市場委員会(FOMC)は6月1415日に予定されています。27日に予定されるイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長のスピーチに注目が集まりそうです。あわせて、同日発表の米国1‐3月GDP改定値も重要です。

しかし、先を読みに行く市場は6月利上げ後の展開を模索し始めると思われます。先週動きの出たテクノロジー関連株への物色が継続するか見守りたいと思います。24日のソニーの2016年度業績見通し説明会も関心を集めそうです。

 

LIMO編集部