経済の体温計、CPIに注目。5月27日(金)8:30発表

消費者物価指数の下落基調は続くのか?

この記事の読みどころ

  • 国内の経済政策を決定する上で重要な経済指標となるのがCPI(消費者物価指数)です。
  • 4月CPI(生鮮食品除く、前年同月比)の市場予想は-0.4%です。
  • 今後の進展が期待されるのが「CPI Now」および「SRI一橋大学消費者購買指数」です。
続きを読む

国内の経済政策を決定する上で重要な経済指標となるCPI

今週は、伊勢志摩サミット等のイベントを控えて政策発動期待が高まる中、5月27日(金)8:30発表予定の4月全国消費者物価指数(以下、CPI)が注目されそうです。

CPIとは、消費者が購入するモノやサービスを把握するための経済指標で、”経済の体温計”とも呼ばれるほど、国内の経済政策を決定する上で重要な経済指標です。

4月CPIの市場予想は-0.4%

2012年12月に誕生した安倍内閣の経済政策であるアベノミクス効果を背景に日本のCPIは上昇してきましたが、2014年9月以降は再び下落基調に転じ、現在に至っています。

今回発表される4月CPI(生鮮食料品除く、前年同月比)の市場予想は-0.4%となっています。

出所:SPEEDAをもとに筆者作成

今後の進展が期待される「CPINow」および「SPI一橋大学消費者購買指数」

”経済の体温計”とも呼ばれるCPIですが、専門家からは「日本の総務省統計局が算出するCPIには、現実の経済環境が正確に反映されていないのでは?」との指摘もなされている点は頭に入れておきたいポイントです。

デフレが長期間にわたって継続してきた日本では、最終消費財に価格転嫁をすることは容易ではありません。たとえば、ポテトチップスの原材料であるじゃがいもの値段が値上がりしていても、企業はすぐにコンビニに置く商品の値段を上げることはせず、中身の量を減らし価格を据え置く傾向にあります。

そこで、こうした商品の「価格」のみならず「量」なども考慮したCPIとして、CPI NowおよびSRI一橋大学消費者購買指数も注目されています。

今後、国内外のマーケットでも認知されていくと思いますので、意識していただくのが良いでしょう。

東大日次物価指数プロジェクト(CPINow)
SRI一橋大学消費者購買指数

【参考情報】日本の消費者物価指数の基礎知識

そもそも消費者物価指数とは

日本の消費者物価指数(CPI)は、総務省統計局によって毎月最終週の金曜日に公表されます。全国の前月分指数および東京都区部の当月分指数の中旬速報値が発表され、12月分と3月分の公表時には、年平均指数および年度平均指数も公表されます。

物価指数とは、物価の絶対的な水準を捉えたものではなく、物価の変化の度合いを把握するものとなります。また、メディア等でインフレ・デフレの議論がされる時にも重視され、家計調査で物価変動の影響を除いた実質値を算出するデフレーターとしても使用されます。

さらに、年金基金の物価スライドの基準や、家賃・公共料金の算出の際にも参考にされています。

個人投資家が、CPIを確認する際に注意すべき点は1つだけ。それは、生鮮食品を除いた「コア指数」を常に確認していくことです。

詳細についての説明は、米国のCPIについて筆者が執筆した記事『2015年8月19日(水)発表の米消費者物価指数(CPI)は要チェック』を参考にしていただければと思います。

※元データの確認は、総務省統計局のウェブサイトをご参照ください。

 

 

岡野 辰太郎

1976年生。大学在学中、マイクロソフトのインターンシップへ参加。
横浜国立大学大学院卒業後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社の投資ストラテジストとして、リサーチ業務に従事。
同社退社後、Webサービスの開発・運営を行う株式会社アーブを設立。モノづくりのクラウドファンディング「SpotLight(スポットライト)」を運営中。