株式市場の振り返り-様子見スタンスが強い中、日経平均株価は小幅ながら3日続伸

2016年5月27日(金)の東京株式市場は、小幅上昇となりました。日経平均株価は前日比+0.4%上昇して3日続伸となっています。また、東証株価指数(TOPIX)も+0.5%の上昇となりました。新興株式市場の東証マザーズ総合指数も+0.3%の上昇となりました。

26日から開催されていたG7伊勢志摩サミットの結論を見極めたいという投資家が多かったようで、様子見スタンスが強い1日となりました。その中で、日経平均株価は前日終値を上回る水準で推移し、一時は+128円高となり、再び17,000円を目指す動きが見られました。しかし、一部には利益確定の動きも出たため、大引けは+62円高の16,834円で終わっています。終値で3日続伸となったものの、上値を追う動きは少なかったようです。

東証1部で上昇したのは988銘柄、値下がり773銘柄、変わらず188銘柄でした。東証1部の出来高は18億568万株、売買代金は1兆6,581億円(概算)となっています。売買代金は、株式相場の最低限の活況度と言われる2兆円を7日連続で下回っており、投資家の様子見スタンスの強さが見て取れます。

セクター動向と主要銘柄の動き-株価上昇は小幅ながら、33業種中28業種が上昇

東証1部で上昇したのは28業種、下落したのは5業種でした。相場全体は小幅上昇でしたが、上昇した業種が意外に多いことが特徴です。上昇した業種の中では、鉱業、保険、非鉄金属、鉄鋼などが上昇率上位となっており、素材エネルギー関連が買われたようです。一方、下落した業種には内需関連業種が多く見られました。また、個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)が上昇し、ファーストリテイリング(9983)の下げが目立ちました。

本日のポイントと注目テーマ-安倍首相による消費再増税の大幅延期が材料に。国内景気対策に注目が移る可能性

伊勢志摩サミットは、特段目新しいニュースが出て来ることもなく、淡々と終了した印象です。しかし、サミット終了翌日には、安倍首相が消費再増税を平成31年10月に延期することを提言する等、具体的なアクションが出始めています。増税延期は想定内ですが、2年半もの先延ばしは、やや意外感があります。

週明けの30日(月)の株式相場は、この消費再増税の大幅延期見通しや、それに伴う国内景気対策の内容に関して、様々な見解が交錯すると思われます。引き続き様子見スタンスが強いと見られますが、何かの拍子に株価が大きく動き出す可能性は十分あると言えましょう。

青山 諭志