大きく動き始めた株式相場、6月のキーワードは「善は急げ」

個人投資家にとって重要な時期が始まった

この記事の読みどころ

  • 大幅下落で始まった5月の株式相場は、最後の最後になって、ようやく動き始めたと言えます。
  • 過去25年間における6月の株式相場は、売り買いが交錯する特徴が見られます。値動きも意外に大きいようです。
  • 既に動き始めた6月は、非常に重要な時期になります。「善は急げ」に従って行動しましょう。とりあえずは、中盤の日米金融政策に注目です。
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先月(5月)の株式相場の振り返り

株式相場が動き出すのを待ち疲れた時、ようやく動き出した

4月末の日銀ゼロ回答サプライズにより、5月の株式相場は大幅下落からスタートしました。ゴールデンウィークを憂鬱な気分で過ごした人も少なくなかったのではないでしょうか。

さて、日経平均株価を振り返ると、4月末の株価(終値、16,666円)との比較では、5月末終値は+3.4%上昇となりましたが、5月高値は+3.5%上昇、5月安値は▲4.1%下落となっています。月初めの大幅下落の印象が強かったのは事実ですが、終わってみると、さほど大きな下落ではなかったように思われます。

これは、4月末(4月28日)の後場に既に急落が起きており、4月の終値が相応に下落していた影響もあるでしょう。なお、5月末終値(17,234円)は2015年末比で▲9.4%下落となっていますが、マイナス幅は少しずつ縮小してきています。

5月の日本株相場は、決算発表と伊勢志摩サミットが2大イベントでした。確かに、決算発表では株価が相応に動いたと言えます。しかし、その後は伊勢志摩サミットの結果を見極めようという動きが非常に強まり、様子見スタンスが支配的となりました。その閑散相場の中、日経平均株価も16,500円を挟んだレンジで推移しています。

伊勢志摩サミットでは目新しいニュースは出ませんでしたが、終了直後から安倍首相による消費増税の再延期決断など、国内の政治経済が動き出したことは間違いありません。これを好感したのか、5月終盤には連日で株価が上昇し、2016年に入って初めての5連騰で終わっています。株式相場が動き出すのをまだかまだかと待ち疲れた時、ようやく動き出したという感じでしょうか。

過去25年間の6月の株式相場を振り返る

6月は売り買いが交錯するパターンが多く、値動きも意外に激しい

さて、皆さんは6月の株式相場にどのような印象を持っているでしょうか。6月は何となく、決算発表疲れで一段落のような、比較的静かな雰囲気を思い浮かべるかもしれません。しかし、過去の6月相場を振り返ると、売り買いが交錯する特徴があります。値動きも意外に激しいと言えるでしょう。

そこで、前月末の株価、つまり、5月末の株価との比較を見てみましょう。すると、1991年~2015年までの25年間では、6月末の株価が5月末を上回った(6月末>5月末)のは、半分超の14回あります。確率としては概ね56%です。

さらに、もう少し視点を変えて、同じ期間における5月末と6月の高値との比較を見てみましょう。すると、25回中24回で6月の高値は5月末を上回っています(6月高値>5月末)。極めて高い確率です。つまり、6月は5月末終値より高くなる局面が、非常に高い確率で訪れるということです。5月末の終値17,234円をどれだけ超える高値になるか、注目しましょう。

一方、同じ期間における5月末と6月の安値との比較を見てみましょう。すると、今度は25回中23回で6月の安値は5月終値を下回っています(6月安値<5月末)。これも極めて高い確率です。つまり、6月中は5月末より安くなる局面がある、ということになります。5月末の終値17,234円を下回る株価が、6月のどの時期に付けられるのか気がかりです。

2016年6月の注目イベント、注目セクター

既に動き出した株式相場、中盤の日米金融政策が焦点

実は、「6月の株式相場の注目点は…」などと話している場合ではないかもしれません。実際、5月終盤の伊勢志摩サミット終了後から株式相場が動き始めています。しかも、上昇基調を強めており、あまり悠長に構えていると、投資好機を失うことになりかねないでしょう。

「善は急げ」ということわざがありますが、買うにしても、売るにしても、行動を起こすべきタイミングと考えられます。個人投資家の方々にとっては、1年で最も重要な時期と言っても過言ではありません。

そうは言っても、6月もいくつかの重要イベントがあります。最大の注目イベントは、米国の利上げ実施の有無です。6月のFOMCは6月14~15日に開催され、今回は終了後に議長会見も行われます。昨年12月に続く追加利上げ実施の可能性が高まっていますが、この類のイベントにサプライズはつきものです。

また、FOMC終了後には、今度は日銀の金融政策決定会合が行われます(6月15~16日)。日銀の追加緩和に対する過大な期待が禁物だということは、4月に痛いほど経験済みですが、やっぱり何かを期待してしまうのは投資家の性でしょうか。何度傷ついても、立ち向かう姿勢は称賛に値するかもしれません。いずれにせよ、6月は中盤に予定されている日米の金融政策に注目です。

政府の景気対策に注目する一方で、為替相場のトレンド転換に注意

日本株に目を向けると、前述の通り、既に大きな動きが出始めています。今後は、消費増税再延期の正式表明に伴って、国内の景気対策に注目が集まります。7月に予定されている参議院選挙を見据えて、どの程度効果のある内容なのか、また、新たな成長戦略にも関心が高まるでしょう。こうした恩恵が期待できる建設セクター、不動産セクター、小売セクター、医薬品バイオセクターなどに注目したいと思います。

また、日米の金融政策の動向によっては、為替相場に大きな動きが予想されます。現時点では、円安とも円高とも予想し難い環境ですが、自動車や精密機器など輸出関連セクターの下値を拾っておくのも必要かと思われます。

 

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。