新興株市場の振り返りー東証マザーズ指数はTOPIXを超える下落率

2016年6月2日(木)の新興株市場は、JASDAQ指数が対前日比▲0.6%下落、東証マザーズ指数が同▲1.7%下落となりました。TOPIXは同▲2.2%下落しておりほぼ全面安といえる商状でしたので、新興株は相対的に持ちこたえたといえそうです。

マザーズ市場の出来高は7,069万株、売買代金は1,674億円で前日から減少しました。値上がり銘柄数42、値下がり銘柄数176、変わらずは6銘柄でした。

株式市場が嫌気したのは円高の進行です。東証1部を見ると、輸出関連株の下げが目立ちましたが、金融関連の下げがさらにきつかったと言えます。33業種で見ると上昇したのは水産・農林業だけで、食料品、医薬品、小売など内需系も下げています。

新興株では円高の影響を直接受ける銘柄は多くないと思います。しかしLINEのIPOに投資するための資金の捻出が、需給懸念として意識されたと思います。マザーズ指数が一瞬1,100ポイントを割り込んだあとやや戻り歩調になったことは、多少なりとも安堵できる展開と言えるでしょう。

マザーズ御三家ではミクシィが気をはく。LINE関連株とブランジスタが上昇

物色動向ですが、マザーズ御三家ではミクシィ(2121)が対前日比+1%、そーせいグループ(4565)が同▲1%、CYBERDYNE(7779)が同▲0%の下落となりました。

上昇銘柄では、ラクス(3923)がオリックスとの業務提携を材料に+12%、Aiming(3911)が+5%、LINEとの業務連携で期待が高まったフリークアウト(6094)が+5%、FFRI(3692)が+4%上げました。

一方、下落銘柄では、連日ストップ安を付けていたアキュセラ(4589)が同▲1%下落で引けました。とはいえ、JIG-SAW(3914)、エナリス(6079)がストップ安をつけて引けました。それぞれ▲15%、▲18%下落しています。LINE関連であるアドウェイズ(2489)は▲5%下げています。

6月3日の着眼点

6月3日は週末であるうえ、米国の雇用統計の発表を控えていますので、株式市場は膠着感が高まると思われます。LINE関連も6月2日は下落銘柄が散見されました。しかし、新興株は為替や景気に左右されにくい銘柄が多く、現状のような不透明な投資環境のなかで投資家の注目を集める基調は続くと思われます。材料が出たものに着いていくのが良いと思います。

LIMO編集部