自動車と投資信託の違いは、前者がフロービジネスで後者がストックビジネスであるところです。販売時に人気を博して1千億円を超えるような残高がある投資信託は、その後売上が低迷しても毎年数億円程度以上の信託報酬が入ってきますから、販売が不振でもあらかじめ決められた償還時までは存在しているというわけです。

図表1は直近6年間(2020年は推定)の償還及び繰上償還された投資信託数の推移です。年間110本程度の投資信託が償還されているのがおわかりになると思います。

出典:モーニングスターのデータより筆者作成

10年間で1000本超、20年間で2000本超の投資信託が償還されるということは、約6000本ある投資信託のうち20年間で約3分の1が入れ替わり、30年間で約半分が入れ替わることを意味します。

現在、30年以上運用されている投資信託は36本しかありませんから※、いかに多くの投資信託が償還されてきたかを物語ります(※データ:モーニングスター)。