世界経済を巻き込む英国のEU離脱騒動とは

Today’s Picks-今日のニュースを解説【2016年6月13日】

今日も1日お疲れさまです。投信1編集部です。編集部が選んだ今日の注目ニュースを、投信1編集部や個人投資家向け金融経済メディアLongine(ロンジン)のアナリストのコメントとともにお伝えします。

世界経済を巻き込む英国のEU離脱騒動

13日の日経平均株価の終値は、前週末比582円18銭安の1万6,019円18銭となりました。下落の大きな要因は、株式市場でも重要イベントとして注目されているEU離脱を問う英国の国民投票です。EU離脱を意味する言葉として「ブレグジット(Brexit=英国を意味するBritainと出口を意味するexitの造語)」なる造語も生まれています。

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10日、一部英紙が「離脱支持が優勢」とする世論調査結果を発表。“ブレグジット”が決まれば、EU経済はおろか世界経済が混乱しかねないとしてリスクを避けよう(リスクオフ)とする動きが一気に広がりました。比較的安全とされる日本円が買われたことで、円相場は1ドル=105円台後半、1ユーロ=119円台前半まで急伸。円高で採算が悪化するとの見方から、輸出関連株中心に幅広い銘柄に売りが出ました。

国民投票までまだ2週間もあるにも関わらず、すでに世界中で混乱が生じている状況ともいえます。英国民にも良い影響ばかりとはいえない状況で、なぜ英国はEU離脱の国民投票を行うのでしょうか。

きっかけは移民問題とユーロ危機

英国は1973年にEUの前身の欧州共同体(EC)に加盟しましたが、当時からこうした共同体には懐疑的な人が多かったようです。EU加盟後も英国は独自のポジションをとってきました。自国通貨であるポンドの採用を継続し、欧州域内の往来を自由化する協定にも未加盟です。

そんな英国でEU離脱の機運が高まった根底には、英国民の2つの「不満」があるとされています。ひとつは、東欧諸国からの移民問題です。特に2008年のリーマンショック後に雇用低迷が深刻になり「低賃金で働く移民が雇用を奪っている」という不満が出てきました。もうひとつが、2009年に発覚したギリシャ財政危機を端緒に広がったユーロ危機です。非ユーロ加盟国にも関わらず巻きこまれ「EUにいると経済でも足を引っ張られる」との不満が広がりました。

こうした中、英国のキャメロン首相は2013年、EU離脱を問う国民投票を実施すると表明。2015年の総選挙は、これを公約に勝利したのです。ただ、これは批判をかわし総選挙に勝つためという側面が大きく、キャメロン首相の本音は「EU残留」かと思われます。もしEU離脱が決定すれば、英国でも失業者が増加して景気も減速すると指摘されています。キャメロン首相は英国民に対し、残留のメリット、離脱のデメリットを訴えるのに躍起のように見えます。

日本企業、金融市場にも降りかかる懸念

英国がEUから離脱した場合、ビジネスの枠組みが変わり、拠点や関税などといった点で日本企業にも影響が出る可能性があります。

また、世界中の金融機関が集まる金融街「シティー」への影響も懸念されています。もしEU離脱となれば、英国は競争力の源泉を自ら手放すことになりかねません。

英国は、1975年にも、EC残留か離脱かを問う国民投票を実施しています。その時は67%が残留を支持してECに留まっています。今回はどうなるのか、英国民の選択に注目が集まります。

いかがでしたか。読者のみなさまの情報収集の一助になれば幸いです。

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。