日米政策維持で株価は大幅下落

16日の日経平均株価終値は、1万5,434円14銭(前日比485円44銭安)となり、対前日比▲3.0%下落で引けました。
今日相次いで発表された米国と日本の金融政策。米国の連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀が出した結論はともに「現在の金融政策を維持」でした。つまり、米国の追加利上げ、日銀による追加緩和は見送られたということです。

その結果、円高ドル安が進み、円相場は1ドル=104円台まで急伸。企業収益の下ぶれ懸念と日銀への「失望売り」が広がり、日経平均株価も一時、500円以上値下がりしました。輸出関連を中心に全面安の展開となり、今年2月12日以来、4か月ぶりの安値水準で取引を終えました。

円相場はその後もさらに値上がりしており、15時すぎに1ドル=103円台に突入。103円台は、2014年8月以来、約1年10か月ぶりです。

23日には英国でEUから離脱の離脱の賛否を問う国民投票が行われます。離脱賛成派が優勢であるという世論調査の結果や報道が続いており、「ブレグジット」への警戒感から、投資家がリスクを避けようとする傾向はしばらく続きそうです。

FRBと日銀の動き

FRBは14、15日の2日間、金融政策を決める会合を開きました。米景気について「経済活動は上向いたようだが雇用改善のペースは減速した」とし、金融政策の現状維持を決めました。

FRBは昨年12月、約9年半ぶりの利上げに踏み切りました。しかし、今年1、3、4月の会合に続き、今回で追加利上げは4会合連続で見送られたことになります。ただし、年内に2回程度の利上げを行う見方は維持し、タイミングを探っていく意向を示しました。

一方、日銀は15、16日の2日間開催した金融政策決定会合で、「国内景気は基調として緩やかな回復を続けている」としました。そして、目標とする2%の物価上昇率の達成に向けては、マイナス金利政策を含めた今の大規模な金融緩和策を維持することを決めました。

今後の注目点

今日も1日お疲れさまででした。日米ともに金融政策を決める会合が終わりました。FRB、日銀の動きはある程度予想できたこととはいえ、日本の株式市場は急速な円高進行による大荒れの様相が続いています。英国民投票まであと1週間。今後はその行方を見定めようとする動きが加速しそうです。

一方、相場が大荒れの中でも気になるのが、日本の新興株の値もちが比較的しっかりとしていることです。新興株は1日ごとのボラティリティは高いものの、東証マザーズやJASDAQの新興株の株価指数は2015年9月末以降でTOPIXと比較すると下げは緩やかです。新興株は国内事業比率が高い銘柄が多いですが、投資家の注目が内需に向かっているからなのでしょうか。引き続き、TOPIX vs 新興株指数で注目です。

投信1(トウシンワン)編集部が選んだ今日の注目ニュースを、今後も編集部や個人投資家向け金融経済メディアLongine(ロンジン)のアナリストのコメントとともにお伝えしていきます。読者のみなさまの情報収集の一助になれば幸いです。

LIMO編集部