4Kテレビが救世主!? テレビ販売は深い谷から回復へ

エコポイントと地デジ以降の不振から脱却できるか

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7か月ぶりに月次国内テレビ出荷台数がプラスに転じた2016年5月

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)によると、2016年5月の薄型テレビの出荷台数は35万台で対前年同月比+9%増となりました。前回、月次出荷台数が前年同月を上回ったのは2015年10月ですので、7か月ぶりのプラスに転じました。ここで少しテレビの販売動向について見ていきたいと思います。

2010年をピークに減少を続けた国内テレビ市場

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国内のテレビ市場は年間約900万台売れる安定した市場でしたが、2012年3月のアナログ停波や2009年5月から2011年3月まで実施された家電エコポイントによって需要の先食いが生じました。この時期は、ちょうど液晶テレビなど薄型テレビの価格も手頃になってきたため、多くの消費者がテレビを買い替えたのです。

2009年から2011年の3年間の合計の出荷台数は約5,900万台となりました(ピークは2010年の2,500万台)。この3年間で7年分弱の需要を満たしたことになります。

この反動は大変厳しいものになりました。2012年から2015年までの年間平均出荷台数は560万台に落ち込みます。2010年のピークから見れば22%程度という低水準です。事前に予想されていたとはいえ、”山高ければ、谷深し”という厳しい展開になりました。

4Kテレビが足元の牽引役に

家電量販店では、実はしばらく前からテレビ市場の回復が語られていました。それは4Kテレビが売れているからです。ちなみに、2016年5月の4K(対応)テレビの出荷台数は8万8,000台(同+198%増)で、全体の台数に占める割合は25%ですが、金額ベースでは60%を占めています。

今、4Kテレビに注目が集まるのは、夏のリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック大会があげられます。しかし、より重要な理由は、テレビの買い替えサイクルが8年程度と言われる中で、そろそろ需要が戻るのではないかと期待されているからです。

確かに、通常のデジタル放送であっても4Kテレビで見た方が鮮明に思えますので、これが呼び水になって徐々に需要が戻ると期待されています。2018年のサッカーFIFAワールドカップや2020年の東京オリンピックに向けて、買い替えが進むのではないでしょうか。

奇しくもシャープのホンハイ傘下入りが正式に決まった

薄型テレビ市場に薄日がさすかもしれないというデータが出たのとほぼ同じタイミングでシャープの株主総会が行われ、ホンハイ傘下に入ることが承認されました。こういうエポックを画す出来事は偶然にも重なるのだなあと実感しています。

 

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。