株式市場の振り返り-超閑散相場の中で反発、後場に入ってから上げ幅を広げる

2016年6月23日(木)の東京株式市場は反発となりました。日経平均株価は前日比+1.1%の上昇、TOPIXも+1.1%の上昇で引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も+0.7%の上昇となりました。

日経平均株価は、前日比+32円高で寄り付いた後、間もなく▲7円安にマイナス転換しましたが、その後は徐々に値を上げ始めました。英国のEU離脱に関する国民投票を控え、なかなか動き難い中、後場は上げ幅を徐々に広げて、一時は+198円高まで上昇しています。大引けは+172円高の16,238円で終わりました。

東証1部で上昇したのは1,285銘柄、値下がり556銘柄、変わらず121銘柄でした。東証1部の出来高は16億4,188万株、売買代金は1兆5,701億円(概算)となっています。様子見スタンスが強まった結果、売買代金は今年2番目の低水準となりました。証券会社の業績に深刻な影響が懸念されます。

セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中30業種が上昇、素材や金融の他に輸出関連業種も上昇

東証1部で上昇したのは30業種、下落したのは3業種のみでした。上昇率上位は、鉄鋼など素材系セクター、銀行など金融セクターに加え、久々に輸送用機器など輸出関連セクターが顔を出しています。一方、下落した業種は前日に続き医薬品等のディフェンシブ・セクターでした。

個別銘柄では、日経平均株価への指数寄与度の大きいファーストリティリング(9983)やファナック(6954)が大幅上昇となり、トヨタ自動車(7203)やダイキン工業(6367)も値を上げました。また、日立製作所(6501)やパナソニック(6752)も堅調となっています。多くの主力株が上昇した中、KDDI(9433)や塩野義製薬(4507)の下落が目立っていました。

本日(6月24日)の注目点-英国の国民投票の結果待ち、ディフェンシブ・セクターの下値を注目

英国の国民投票が始まりました。日本時間の24日(金)の昼頃には情勢が判明するようですが、少し遅れることも考えられます。24日は前場早々から様々な憶測や、自作自演による揺さぶりが仕掛けられる可能性がありますが、注意して臨みましょう。個人投資家は、日計り取引(デイ・トレーディング)でない限り、結果が判明してからの行動で十分間に合います。ただし、事前に投資対象(買い、売り)のメドを付けておくことは必要でしょう。結果が判明してから“考え始める”のは遅いかもしれません。

さて、もし、英国が残留となれば外需セクターが買われると思われますが、ここ数日間は妙に安くなっているディフェンシブ・セクターの下値も注目したいところです。24日の大引け時に、株式相場がどうなっているのか、ハラハラドキドキ待つのではなく、余裕を持ってワクワク待ちたいところです。

青山 諭志