株式市場の振り返り-歴史的な暴落、日経平均株価は一気に15,000円割れ

2016年6月24日(金)の東京株式市場は、歴史に残るような大幅下落となりました。日経平均株価は前日比▲7.9%の下落、TOPIXも▲7.3%の下落で引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も▲8.5%の下落となりました。

日経平均株価は、英国のEU離脱の是非を問う国民投票の途中経過によって値動きの粗い展開が続きました。しかし、離脱票が多数確実という速報が伝わると、下げ幅を一気に広げ、後場の開始後間もなくに一時▲1,374円安まで下落しました。その後はやや切り返しましたが、“焼け石に水”の状況でした。結局、大引けは▲1,286円安の14,952円で終わっています。

24日の日経平均株価の下落幅は史上第8位、下落率は第9位となっています。特に、▲7.9%の下落率は、今から3年強前の2013年5月23日に起きた、あの“5.23ショック”の▲7.3%を上回る数字です。もちろん、アベノミクス始動後としては最大の下落となりました。このことからも、今回の尋常でない急落ぶりが分かります。

東証1部で上昇したのは僅か6銘柄、値下がり1,954銘柄、変わらず4銘柄でした。東証1部の出来高は36億2,328万株、売買代金は3兆3,383億円(概算)となっています。出来高が急増したところを見る限り、相当に多くの投げ売り・損切りが発生したと考えられます。

セクター動向と主要銘柄の動き-全業種が下落、主力株も軒並み急落

東証1部の33業種全てが下落しました。最も下落率が小さかった小売セクターでも▲5%超下落しています。下落率が大きかった中では、金融セクターが目立っており、輸送用機器等の輸出関連も急落しています。

全面安の状況でしたから、個別銘柄で特に目立った動きはありませんでした。ただ、強いて言うならば、やはり、輸出関連株の中ではマツダ(7261)のように、欧州事業の比重の高い銘柄が売られたようです。また、英国で鉄道車両生産を展開している日立製作所(6501)も急落しました。

本日(6月27日)の注目点-『落ちてくるナイフは掴むな』の一言に尽きる

過去を、とりわけ、アベノミクス始動以降を振り返ると、今回のような急落翌日には、“プチ反発”が起きているパターンが多く見られます。しかし、それと同時に、その後は2番底、3番底も形成されている特徴があります。したがって、27日に株式相場が反発しても、基本的には追い駆けないことが重要です。27日は『落ちてくるナイフは掴むな』の相場格言を肝に銘じ、静観するべきです。これ以上でも、これ以下でもありません。“先週末の急落でEU離脱の危機は織り込んだ”等の根拠のない誘惑に惑わされてはいけません。

青山 諭志