JR九州がいよいよ上場か

九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)が、2016年6月30日に東京証券取引所に株式の上場を本申請したと報道されています。え!まだJR九州ってまだ上場していなかったの?と思われた方もいるかと思います。既に上場しているのはJR東日本(9020)、JR西日本(9021)、JR東海(9022)の3社で、JR九州が上場することになれば、JRの上場は4社目になります。

では、数字をもとにJR九州がどのような企業かを見ていきましょう。

JR九州の2017年3月期の売上高(会社予想)は3,788億円です。JR東日本の2017年3月期の売上高(会社予想)は約2.9兆円ですので、JR九州の売上高はJR東日本の約8分の1の規模ということになります。ちなみに、同じく会社予想ベースでのJR東海の売上高は約1.7兆円、JR西日本は約1.5兆円となっています。

JR九州が今回上場することになっても、上場しているJRの中で最も規模が小さいということになります。

JR九州の利益を支える事業とは

JR九州の利益構成について見てみましょう。JR九州の2016年3月期の営業利益は208億円でした。そのうち最も収益を上げている事業は駅ビル不動産事業です。鉄道会社は数多くありますが、不動産事業で収益を計上していることは決して珍しくはありません。

注目すべき点は、これまで運輸サービス(つまり鉄道事業)の採算は厳しかったということです。2016年3月期に運輸サービスは黒字化しますが、2013年3月期から15年3月期は連続の赤字となっています。つまり、本業ではかなり厳しい事業運営を迫られてきたと言えます。

ただし、JR九州は2016年3月期決算で、鉄道事業固定資産の減損を行っています。他にも固定資産圧縮損を計上し、バランスシートを軽くすることで今後の収益の改善を図ろうとしています。

そうした施策もあり、2017年3月期の営業利益は、会社予想では518億円を目指しています。結果、2017年3月期の営業利益は対前年度比+148%となる計画になっています。地震対策なども追加的に対応を迫られるかもしれませんが、収益を拡大できればより施策を打ち出しやすくなるでしょう。

JR九州の今後の成長ドライバー

2011年に九州新幹線の全線が開通するなど九州へのアクセスは確実に改善されており、また、2013年には豪華寝台列車「ななつ星in九州」の運行を開始するなど、今後も観光客やインバウンド需要の取り組みを積極的に展開する取り組みをしています。

地理的にも、アジアに近いことから外国人観光客の取り込みを期待でき、インフラが整備されることで観光客数がこれまで以上に増えることに期待したいと思います。

九州では、大都市のある福岡県、異国情緒あふれる長崎や九州新幹線の終点の鹿児島が注目されがちですが、その他の県も観光スポットは山のようにあります。

九州では高速道路を自動車で移動するのはかなり便利ですが、鉄道インフラが十分だったかと言われればどうでしょうか。鉄道がこれまで以上に整備されれば、大量の観光客を運べるようになります。JR九州が上場し、収益を上げて投資を続けることが、地方創生への一番の近道かもしれません。

青山 諭志