ロボアドバイザーの真逆を行く、DIYトレーディングのすすめ

AIを活かせる「株式投資も自分らしく」のトレンド

金融 × AIに取組むスタートアップのAlpaca(アルパカ)です。

今回は、アメリカで浸透しつつあり、Alpacaも注目している「DIYトレーディング」という考え方をご紹介したいと思います。

DIYという考え方

DIYという言葉、みなさんも一度は耳にしたことがあると思います。Do-It-Yourselfの略で、「自分でやろう」という意味です。プロに任せず、自分自身で何かを作ったり、修繕したりすることを指します。

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元々は、第2次世界大戦後のロンドン市街地復興の合言葉として使われていましたが、現在は主に家具やインテリアを自分好みにカスタマイズするという意味で使われています。

DIYトレーディングとは

そんなDIYという考え方が、株式投資の世界にも広がってきています。”DIY Investing/Trading”, ”Self-directed Investing/Trading”という言葉を度々英文記事で見かけます。

これは文字通りDIY(Do-It-Yourself)で、ロボットや他人に任せ切るのではなく、自分の意思と判断に基づいて取引を行うという意味で、私たちアルパカではこれを日本語で「DIYトレーディング」と呼んでいます。

なぜ、今、DIYトレーディングなのか

ではどうして、DIYトレーディングという考え方が注目されるようになってきたのでしょうか。大きな要因の1つとして、テクノロジーの発展が挙げられます。

インターネットの普及、技術の発展によってトレーディングに役立つ便利なサービスが次々と登場し、やる気さえあれば、DIYトレーディングを始められる環境になってきています。

また、昔と比べてシークレットソースのようなものはなくなりつつあり、個人投資家も十分な情報にアクセスできる環境が整いつつあるということをよく聞きます。

DIYトレーディングの魅力

では、DIYトレーディングの魅力はいったい何なのでしょうか。

まず考えられることは、自分のことは自分が一番わかっていて、自分で全て決められるということです。周りの思惑や集団心理に左右されることなく、自分で好きなように自分の投資戦略を立てられるのです。

また、DIYに関しては、「人は自分で手間をかけることがクオリティーの向上に繋がると信じるものだ」という家具メーカーのイケアにちなみ、「イケア効果」と呼ばれる興味深い現象があります。これは家具の組み立てに限らず、DIYトレーディングにも当てはまることでしょう。

ファイナンシャルプランナーやロボアドバイザーから与えられたポートフォリオではなく、自分で勉強し、努力をして作り上げていくポートフォリオに愛着を感じる、ということです。

さらに、デジタルネイティブと呼ばれるミレニアル世代は、SNSで友達にシェアしたくなるような物語性を投資にも求める傾向があります。

加えて、彼らは投資の際に社会や環境への影響を重視し、その流れの中で社会的課題の解決・改善と投資収益を同時に追求するという、インパクト投資(Impact Investing)と呼ばれる新しい投資形態が拡がりつつある、と言われています。

このような流れからも、投資によって単にお金を増やそうというのではなく、お金をどう増やし、管理していくのかという”哲学”が今まで以上に重要になってきていることがわかります。そしてDIYトレーディングでは、そのような自身の”お金の哲学”を表現することができるのです。

似て非なるもの? ロボアドバイザー

最近、ロボアドバイザーというオンラインの資産運用サービスがアメリカでは普及しつつあります。一定のアルゴリズムに基づいて運用やリバランスを行うというもので、日本でもTheoなどのサービスが開始されていますね。

従来の対面型ファインシャルプランナーによるサービスと比較され、DIYトレーディングに含まれるものとして取り上げられることもあるのですが、”投資の判断を任せる存在”と捉えると、ロボアドバイザーはDIYとは真逆の考え方であることがわかります。

ロボアドバイザーの勢い

ここ数年、多くの企業がロボアドバイザーに進出しています。大手オンライン証券会社のCharles Schwab Corpやスタートアップの Betterment、Wealthfrontに加え、ちょうど今月、大手オンライン証券会社のETradeも参入を発表しました。

A.T. カーニーが2015年6月に発表したレポートによると、2015年の米国におけるロボアドバイザーによる資産運用額は全体の0.5%にすぎないが、2020年には全体の5.6%になり、2020年までに、ロボアドバイザーを使った資産は2.2兆ドルに達するだろうと予測しています。

一方で、顧客獲得コストの増加と顧客ごとの平均収益の減少を考慮すると、その勢いは弱まってきているという見方もあります。

ロボアドバイザーも間違いなく1つのFintech(フィンテック)のトレンドなのですが、それとは真逆の、自分で投資を組み立てるという動きもテクノロジーの発展に伴い活発になっているというのはとても興味深い現象だと思います。

まとめ

今回は、株式投資も自分らしく行うという考え方のDIYトレーディングを取り上げました。

Alpacaとしては、DIYトレーディングの方向にこそAIを活かすポイントがあるのではないかと感じています。それは、自分のことは自分が一番わかっていて、そのための投資を本来は各々の人がもっと気軽に設計できるべきだと考えているからです。

そのために、AIをよりいっそう活用できるようなサービスを我々も開発していかなければ、と考えています。

 

アルパカ

金融×AIに取組むスタートアップ。シリコンバレーと東京に拠点を置く。
2013年2月に創業。2016年3月から、日々のトレーディング業務をAIによって自動化できるウェブサービス「キャピタリコ」を提供。当初は為替市場でのサービスを提供し、現在米国株と日本株に対応したサービスを開発中。2017年には自動化されたアルゴリズムを共有できるマーケットプレイスをリリース予定。