株式市場の振り返り-参議院選挙が終わって大幅反発、日経平均株価は+4%上昇

2016年7月11日(月)の東京株式市場は大幅反発となりました。日経平均株価は前日比+4.0%の上昇、TOPIXも+3.8%の上昇で引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も+2.5%の上昇となりましたが、大型株に比べてやや力強さに欠けた感がありました。

日経平均株価は、先週末に発表された米国雇用統計の好調を受ける形で、前日比+268円高で寄り付きました。その後は、参院選終了に伴う政府の景気対策への期待感などから上げ幅を拡大し続け、後場の終盤には一時+709円高となり、15,800円を上回る場面が見られました。ただ、大引けに掛けて売りが一気に優勢となり、最後は+601円高の15,708円で終わっています。それでも+4%の大幅上昇となり、5日ぶりの反発となりました。これだけの大きな上昇率は、3月2日以来約4ヶ月ぶりとなります。

東証1部で上昇したのは1,897銘柄、値下がり51銘柄、変わらず18銘柄でした。東証1部の出来高は19億9,668万株、売買代金は2兆1,291億円(概算)となっています。株価上昇を勘案すると、売買の盛り上がりは今一歩でしたが、活況感が回復しつつあります。

セクター動向と主要銘柄の動き-全業種が上昇、内需関連は小幅上昇に止まる

東証1部の33業種全てが上昇しました。その中では、素材関連、金融関連、輸出関連などの大幅上昇が目立った一方で、内需関連やディフェンシブ・セクターの上昇は相対的に小幅なものとなっています。

個別銘柄では、任天堂(7974)が+25%の大幅上昇となり、連日で大きく値を飛ばしました。また、ソニー(6758)、東京エレクトロン(8035)、キーエンス(6861)、資生堂(4911)などが年初来高値を更新する上昇となり、ファーストリティリング(9983)やファナック(6954)も大幅上昇となりました。数少ない下落銘柄の中では、先日上場したコメダホールディングス(3543)が冴えない動きとなっています。

東証マザーズ市場の動き-総合指数は5日ぶりの反発も、新興市場らしからぬ動き

東証マザーズ総合指数も5日ぶりの反発となり、再び1,000ポイントの大台回復を伺う位置に付けました。しかしながら、大型株の大幅上昇に比べると物足りなさがあったことは否めません。実際、出来高は5,587万株、売買代金は1,074億円の低水準に止まっており、これは約4ヶ月ぶりの薄商いです。なお、値上がりが189銘柄、値下がりは39銘柄、変わらず5銘柄でした。閑散相場を打破するような材料が欲しいところですが、当面は難しいかもしれません。

個別銘柄では、そーせいグループ(4565)、CYBERDYNE(7779)、ミクシィ(2121)の時価総額が大きい3銘柄は上昇しましたが、いずれも小幅に止まりました。その他ではアカツキ(3932)など、情報・通信関連株の一角が+10%以上値上がりしましたが、目立った動きとは言えません。全体的には、特段上がった銘柄も、特段下がった銘柄もない、新興市場らしくない1日となったようです。

本日(7月12日)の注目点-ついに動き始めた株式相場、為替相場の反転に注目

株式相場が動き始めた模様です。元々のトリガーは、先週末に発表された好調な米国雇用統計ですが、参議院選挙が終わって早々に、政府の景気対策が本格化する兆候が出始めたことが大きく効いています。各種報道によると、安倍首相は12日(火)に経済対策の策定指示を出すようであり、良い意味で「風雲急を告げる」になっています。また、こうした動きを待っていたかのように、円高進行にも一服感が出てきました。参院選の勝敗内容はともかく、株式相場の環境は一気に好転したと言えましょう。

強いて気になる点を挙げると、11日の株式相場では売買高の本格回復が見られなかったことです。ただ、一時の超閑散相場からは脱していることも確かであり、12日に活況感が戻るかどうかが注目されます。為替相場のトレンドが反転したとすると、当面は輸出関連株を始めとする外需セクターに目を向けたいと思います。先週の100円/ドル時に下落した銘柄に注目しましょう。

一方、新興市場は対照的に元気がありません。大型株の回復に加え、今週末のLINE上場を控えており、関心が低くなるのは仕方ないところです。現在は大きなテーマが欠けていますので、個別銘柄の下値を狙うのが得策と考えられます。ただ、薄商いで値動きが極端に激しくなる場面に注意しましょう。

青山 諭志