夏のボーナスはLINE・任天堂・ユニクロの「救世主3人衆」で夢を追う?

成長株相場に見えるが、実は...

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参議院選挙を終えてサマーラリーに突入!?

2016年7月11-15日は世界的に株価が急騰しました。振り返ってみると日本株は昨年の夏から1年間にわたる長い調整を経ています(昨夏、日経平均株価は2万円を超えていました)。最近では6月末の英EU離脱ショックがリスクオフを加速させ、しかも1ドル100円を伺う円高にもつながりました。株式市場への警戒感が高まっていたのです。

しかし、参議院選挙が与党の勝利で終わり、新しい週を迎えると市場の雰囲気が一変しました。リスクオンが復活し、世界株は全面高になりました。TOPIXは週間で+9%という大幅な反発をしています。

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救世主3人衆:任天堂、LINE、ファーストリテイリング

相場の反発の直接的な契機は、選挙後の日本政府の財政金融政策への期待だと思いますが、株式市場での朗報はむしろ新しい柱が見えてきたことでしょう。

第1は、何といっても海外でスマホゲームであるポケモンGOが素晴らしい滑り出しを見せた任天堂(7974)です。株価は週間で+71%もの上昇です。

第2はLINE(3938)のIPOが好発進したことです。東京市場では上場初日の7月15日の終値が公開価格を+32%上回っています。

第3はQ3決算を発表後、ファーストリテイリング(9983)の株価が1日で+18%上昇したことです。国内ユニクロ事業とグレーターチャイナでのユニクロ事業に回復の兆候が出たことを市場は好感しています。

こうした株価の動きは、市場が時価総額の大きい銘柄に新鮮な材料を求めていることをよく示していると思います。市場はわくわく感を渇望していたのでしょう。

よく見てみると、実はバリュー相場

このように、派手な動きが個別銘柄に出ていることに注意が向きがちですし、いかにも「成長株相場」(グロース相場)が来ているように感じます。しかし、もう少し広く市場を眺めると少し異なる景色が見えてきます。

2016年7月11-15日の業種別の騰落を見ると、上昇した大きなセクターは銀行、金融(除く銀行)、鉄鋼・非鉄、自動車・輸送機などのセクターです。いずれも+14~+18%という大幅な上昇になっています。

これらの業種は、年初来のパフォーマンスが最も芳しくないセクターであるため、リスクオフからリスクオンに切り替わる中でリバウンド狙いで買い戻されたと言えそうです。しかも、これらの業種にはバリュエーションの低い銘柄が多いので、グロースインデックスよりもバリューインデックスが勝つという展開になりました。

先週の実際の牽引役の姿は、救世主3人衆の顔触れとはだいぶ異なるのでした。

ボーナス資金での投資戦略をどうするか

以上、最近の株価の上昇の中身をおさらいしてみました。

読者の皆様には夏のボーナスで運用を、とお考えの方もいらっしゃることでしょう。

投資はその目的、リスク許容度、相場への関与の度合い、投資期間などにより運用戦略は千差万別ですが、足元の状況を踏まえて日本株をメインに考えてみると、

  • 任天堂、LINE、ファーストリテイリングなど時価総額が大きく、かつ、わくわくするような変化が感じられる銘柄に投資する
  • 銀行などの出遅れ業種の代表銘柄に投資しリバウンドを待つ
  • 煩雑な銘柄選別を避けて、株式インデックス投信・ETFなどを時間分散しながらじっくり買い進む
  • 任天堂、LINEなどに資金がシフトすることで調整し始めた成長株を下がったところで買う

など、いろいろ考えられます。

週末にはテロやクーデターといったニュースが出ていますし、(まだ具体策を見ぬ)日本の追加的な財政金融政策への期待感が先行している気もします。相場はなかなか一本調子で上げ続けるわけではないことを念頭に、夏のボーナス投資の参考にしていただければ幸いです。

 

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。