US-REIT(米国リート)ファンドが断然有利?!低金利時代の資産運用を考える

日銀によるマイナス金利の導入で、国内における銀行預貯金や定期預金の金利は、かつてない低水準となっています。長期金利の指標である10年国債の利回りもマイナスで、過去最低水準を更新し続けている状況です。

こうした低金利の環境下では、銀行に預金をしても受け取ることができる利息が少ないことが悩みの種です。しかし、実はこうした低金利を追い風にしている商品があります。それが「REIT(リート、不動産投資信託証券)型ファンド」です。

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不動産のオーナーになれる?REITのしくみ

REITとは、不動産投資法人の投資証券または不動産投資信託の受益証券のことです。簡単に言うと、投資家から資金を集め、ビルやマンション、ホテル、物流施設、ショッピングモールなどの不動産を所有、管理、運営し、これらの不動産賃貸料収入や売却益を投資家に分配する商品です。

そして、REIT型ファンドは、複数のREITを組み合わせた投資信託です。投資信託ですので、少ない資金から投資でき、不動産のプロが運営管理する複数の不動産に分散投資できるので、リスクを分散・軽減できることが大きなメリットです。一方、不動産収入は景気がよいときは上がりやすく、悪くなると下がりやすいというように、景気変動の影響を受けやすいため、REIT価格は比較的景気に左右されやすいという特徴があります。

REITの主要業種と特徴
業種 特徴
小売り

ショッピングセンターなど。賃料が固定部分+売上連動で構成されることが多い。景気変動の影響を比較的受けやすい。

オフィス

オフィスビルなど。契約期間が数年単位かつ期間中の賃料は固定というケースが多い。景気変動の影響は比較的緩やか。

住宅

賃貸住宅など。契約期間は比較的短期だが賃料は安定的。景気の影響は受けにくい。

ヘルスケア

病院・養護施設など。賃貸期間が長い。景気の影響を受けにくい。

産業施設

物流施設・配送センターなど。在庫があるので一定の需要をもつ。ただし、企業の施設なので景気と業績に左右される可能性はある。

ホテル

ホテルなど。日々の稼働率が直接収益に影響する。主要業種において、もっとも景気に敏感。

出所:投信1編集部

では、低金利の今、なぜREIT型ファンドに資金が集まっているのでしょうか。その秘密は、REIT特有の投資構造にあります。REITを運用する不動産投資法人は、マンションやショッピングセンターなど大型物件を複数保有しているわけですが、これら物件の調達資金は、金融機関などからの借入である場合が多いのです。日本や米国といった主要国では、REITの負債比率は40%を超えています。家賃やテナント収入などに大きな変動がないという前提で、金利が低くなると利子返済分が少なくなり、その分収益の拡大につながることになるのです。これが、現在の低金利がREITにとって追い風だといえる理由です。REIT価格が上がれば、REIT型ファンドの価値も上がります。

景気/金利とREIT価格の関係
  良い/上昇 悪い/下落
景気 REIT価格UP REIT価格DOWN
金利 REIT価格DOWN REIT価格UP

出所:投信1編集部

実際に、昨今国内外で世界経済の先行きに対する不透明感と警戒感が広がり、投信の運用成績が低迷する中でも、国内外のREIT型ファンドの値動きは安定的で、資金流入も高水準に推移しています。なかでも米国のREIT型ファンド(以下、US-REITファンド)は資金流入を大きく増やしており、投資信託マーケットのけん引役になっています。

景気、金利、不動産市況のすべてがUS-REITファンドの追い風に

US-REITファンドに資金流入が続き、注目されるのには、理由があります。

まず一つは景気動向です。世界経済に不透明感が広がる中にあって、米国の景気は回復傾向にあり、自動車、住宅などの耐久消費財の販売が好調です。個人消費の拡大も続いています。

こうした中にあって、FRBによる利上げは2016年に入って行われていません。また、年内の追加利上げも、欧州でのテロ事件、新興国の経済環境が不安定などから、米国の景況感が良い中でも現時点ではそうそう行われるような雰囲気にありません。このように、金利の上昇が限定的にとどまっているという点やグローバルで見ても相対的に安定している米国という見方もあり、US-REITファンドにとっては有利に働いているといえます。

さらに注目すべきは、米国の不動産市場における需給のバランスです。米国では、不動産の新規供給量は歴史的な低水準で推移しており、大きく増えない限定的な状況です。しかし、景気が回復傾向にある中で、需要は高まりを見せているのです。こうした環境では、稼働率が上がりやすくなりますし、さらには、賃料アップも可能になります。不動産オーナーにとっては、非常にポジティブな環境にあるといえます。こうしたことから、US-REIT市場も、今後も安定的なキャッシュフローとともに成長が続くと見込まれています。US-REITの業績も堅調に推移していくと考えられるというわけです。

REITは景気動向に左右されやすい商品ですし、元本割れなどのリスクもあります。しかし、可能な限り有利に資産運用を進めることを検討するうえでは、成長の期待が高いUS-REITファンドも含めて検討する価値は大いにあるといえそうです。

なお、REITファンドの中には、購入時の手数料が無料の商品も多数あります。最低投資金額が1万円程度から(毎月積立の場合は月500円~というケースも)と少額で始められるなど、個人投資家も手軽に投資できる商品と言えるでしょう。

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投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。