レビュー:S&P500は最高値更新、日欧株もしっかりの1週間

先週(7月18日-7月22日)の主要国の株式市場は、日米欧はしっかり、グローバルにはまちまちの展開になりました。

ドルが対円、対ユーロで小幅に上昇し、長期金利は米国でほぼ横ばい、日欧では小幅に低下しました。全体としては落ち着いた投資環境だったと言えます。米国では決算発表が本格化しましたが、ネットフリックスの下落を除いて大きな波乱は今のところないようです。また、IMFの経済見通しが先進国中心にわずかに引き下げられましたが、中国、ロシア、ブラジルなど新興国では据え置きないし若干の上方修正が行われています。

国別に株価指数の騰落をみると、日米独の株式指数は+0.6~0.8%の上昇率でした。S&P500は引き続き最高値を更新しています。これを上回る上昇を示したのはブラジル、メキシコ、インドネシアなどの市場で、下落したのはトルコ、ロシア、ベトナム、上海などです。

個別にみると、米銀の決算が出そろいましたが、株価の影響は軽微といえます。また決算を発表したクアルコム、マイクロソフトの上昇が目立ち、グーグル、フェイスブックなども上昇しています。他方で、資源価格が軟調に推移し、資源関連株が総じて安い展開になりました。

先週の主要市場の動き

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が-表示

年初来の主要市場の動き

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が-表示

アウトルック:日銀の追加緩和、決算本格化が梯子をはずさないか試される週に

今週(7月25日-29日)は材料が豊富です。米国のFOMC、日本の日銀政策決定会合、欧米の4-6月期GDP速報といったマクロイベントがあるうえ、内外の決算が本格化します。特に米国ではフェイスブック、アップル、アマゾン、グーグルの決算が発表され、日本でも主要企業の決算が週末に向けて鈴なりです。

投資環境を俯瞰すると、テロなどの政治的不安定要因が払しょくできていません。まずは日銀が追加金融緩和を打ってくるかがポイントになるでしょう。さらに企業決算で次の成長期待につながる材料がどの程度出てくるかがカギになりそうです。

なお、欧州銀行監督機構(EBA)が欧州の銀行のストレステストの結果を公表する予定です。欧州の金融システム不安が再燃しないか注目しておく必要もあるでしょう。

LIMO編集部